ボランティアを退職前から続けている。そこで就職した学生の話を紹介する。
就職したのは、チェーン店を日本全国に展開する企業。「そこはブラック企業なんですよ。他にも新聞の広告でよく目にする◯◯商会もそうなんですよ」と、その学生は言う。受動的なひどい働き方をされないように祈るばかりだ。
「ブラック企業」とはなにか。関西大学の森岡孝二教授の著作から引用する。
◯社員規模に比して採用人数が異常に多く、離職率が目立って高い企業。
◯露骨な性差別があり、女性社員の平均勤続年数がかなり短い企業。
◯基本給+残業代を「初任給」とし、長時間残業を給与体系に組み込んでいる企業。
◯過労死、サービス残業、セクハラ、パワハラなどが問題になった企業。
◯「△年後には独立可能」「入社即店長」「△年後には年収△百万円」などの「夢」をやたらと売り物にする企業。
◯社長がワンマンないしカリスマで、やたらと従業員のやる気を鼓舞する企業。
◯労働条件があまりに劣悪で、ネット上でしばしばたたかれている企業。
以上の「指標」を挙げている。「就活とブラック企業ー現代の若者の働き方事情」(森岡孝二編 岩波書店 2011年)
先ほどの学生の話を続けよう。
☆社長のブログに必ずアクセスしなければならない。毎日である。接続料として2000円を徴収される。たわいない内容のブログを読まされると嘆いていた。
★盲導犬に募金をする。強制ではないと断るが、半強制的に2000円が徴収される。給与から引かれる。
私事になるが、娘が13日に結婚した。ハワイで挙式をした。いわゆる国際結婚。ハワイで就活をするという。共稼ぎをする。幸多かれと願っている。
彼女は語学留学をして、大学に5年間在籍した。就活をして、内定を何社からもらった。保険会社と情報企業の2社に絞った。そして、ある情報企業に入社した。六本木ヒルズにある本社に配属された。営業所に配属になる。1年間彼女なりに辛抱したが、退職した。理由は長時間残業、パワハラ、セクハラ、飛び込み営業。
私は、彼女の就活中から危惧していた。なぜか。その企業は大阪発祥の企業。立志伝中の創業者が「大阪◯◯社」を立ち上げ、乱暴な営業政策で業界に位置を占めた。そして、2代目社長がスマートに東京へ進出した。ヒルズ族だ。華やかなビルの外見とは裏腹に、社員を劣悪な労働条件に置いているのではないかと。会社のDNAが社員に受動的な働き方を強いていると直感したからだ。会社四季報を読んだりした。直感が当たった。そこはブラック企業だった。
彼女は大阪の我が家に戻った。向日的な性格の彼女はまた就活を始めた。アルバイトで、旅行会社やソフト制作のベンチャー企業に勤めた。労働の喜びと厳しさを楽しんでいるように思われた。今はSkypeでビデオ電話をしている。
4月から若者たちが働き始める。私の職場にも4名の新採用教員が配属される。ブラック企業のような受動的な働き方をされないように望む。教育活動に励んで欲しい。しかし過度の労働負担でココロや身体を壊すことも望まない。彼らの下支えができたらと大阪のオッサンは志を抱いている。
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