ユニ・チャームは4月から就業時間を1時間前倒しする。東日本大震災後の昨年5月以降、節電対策として始業時間を早める「サマータイム」を臨時に導入してきたが、残業時間が減るなど仕事面でも効果が見られたため、国内の正社員を対象に通年で導入する。
節電対策でサマータイムを取り入れた企業は多いが、効果を検証したうえで就業規則の変更に踏み切る例は珍しい。震災から1年を機に、新たな働き方を探る動きが広がる可能性もある。
このほど開いた取締役会で就業規則の改定を決めた。始業・終業時刻をそれぞれ1時間早め、午前8時~午後4時50分を就業時間とする。対象は約1000人強の社員。
東京電力福島第1原子力発電所の事故による電力不足に対応するため、ユニ・チャームは昨年5月に「サマータイム」を実施。当初は9月までの予定だったが、今年3月末まで延ばしていた。
就業時間の前倒しで、夏には消費電力が3割超も減ったほか、残業時間も1人当たり月3~4時間少なくなったという。朝早くから小売店からの出荷などの要望にも対応でき、仕事の効率も高まった。「海外展開を加速するためにも業務効率のあがる働き方への切り替えが必要」(高原豪久社長)と判断した。
サマータイムは昨夏、多くの大手企業が導入。KDDIや伊藤園なども効果を検証している。ファーストリテイリングは昨年秋に午前7時の始業に変更したが、グローバル対応が主な狙いで節電とは直接関係ない。
就業時間の前倒しは働き方や生活を変えるきっかけにもなる。昨夏は早朝に勉強やスポーツに励む「朝活」のほか、飲食業では「アフター4」の需要も盛り上がった。
NIKKEI.com(2012.01.14 0:42)
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