2011年8月7日日曜日

日経新聞 国家公務員の定年延長、60歳超は給与3割減 人事院素案 13年度着手、管理職からも退く(2011.08.07 14版)

 国家公務員の定年延長に向け、人事院がまとめた新人事制度の素案が6日、明らかになった。公的年金の支給開始年齢引き上げに合わせ、現在は60歳の定年を2013年度から3年ごとに1歳ずつ上げ、25年度に65歳にする。人件費の膨張を防ぐため、60歳超の給与は年収ベースで50歳代後半より約3割削減し、60歳になると管理職を外れる役職定年制も導入する。

 人事院によると、60歳超の職員の給与は同様の制度を導入している民間企業の事例を踏まえて設定した。事務次官級を除いて「50歳代後半層職員の7割水準に設定する」と明記、60歳超は昇給しないことにした。60歳超を対象とする週15時間30分~31時間の短時間勤務制も導入する。

 本省課長級以上は役職定年を迎えた後、スタッフ職などに異動させるほか、公益法人などへの派遣制度の拡充で対応する。退職手当を上乗せする希望退職制の導入も検討課題として掲げた。事務次官級は役職定年の対象外とし、局長の役職定年の年齢も18年度までに引き上げる方向。

 民主党は公務員の天下りあっせんの全廃を打ち出しており、定年延長を認める方向。ただ人事が停滞するとの見方があるうえ、現役派遣など天下りの「抜け道」が残っているとの指摘もある。

 人事院は給与勧告と併せ、新制度案を9月下旬に内閣と国会に提出する。導入には国家公務員法と国家公務員給与法の改正が必要だ。

 野党は政府・民主党の公務員給与への切り込みは不十分と主張。政府が今国会に提出した国家公務員の給与を5~10%引き下げるための法案も成立のメドが立たず、新制度案も批判を浴びる可能性が高い。経済界などには公務員の定年延長への反対論も強い。一方、高齢職員の給与削減には民主党の支持団体、連合などが反発している。

Nikkei.com(02:05)

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