2011年12月19日月曜日

休憩する暇なく疲弊(朝日新聞「職場のホ・ン・ネ」2011.12.16朝刊13版)

小学校の教師をしています。児童の登校前に学校に行き、帰宅は午後8時ごろ。小さい子どもを預かる責任から常に緊張状態です。給食時間中の15分間、下校直後の30分間は「休憩時間」ですが、給食中は準備や指導、アレルギー症状が出ないかの確認、後片付け、下校後は会議や授業の用意、資料作りなどに追われます。実際に休憩する暇など、あるわけがありません。

疲弊した教師の指導では子どもにも影響がでるのではないでしょうか。少しは休憩できる人員配置をしてほしいです。
(兵庫県 50代女性 教師)

持ち帰り仕事 公務と認める 神戸地裁判決(朝日新聞朝刊 2011.12.16 10版)

病気のため学校で倒れた元小学校教諭が、公務災害と認定しなかった「地方公務員災害補償基金」(本部・東京)の処分を違法とし、取り消しを求めた行政訴訟の判決が15日、神戸地裁であった。自宅に持ち帰った仕事の扱いが争点となったが、矢尾和子裁判長は「持ち帰り作業」も時間外勤務と認め、同基金の処分を取り消した。

原告は、兵庫県尼崎市の元教諭、船越賀代子さん(52)。2004年に学校で容体が急変し、くも膜下血腫と診断された。今も後遺症があるが、同基金は07年に「持ち帰り作業は学校での残業より負担が少ない」として、公務災害と認めない処分をした。

裁判では、同僚らの証言などをもとに、船越さんの夫(54)が発症直前の2カ月間の勤務状況をまとめて提出。矢尾裁判長は、自宅でのテスト採点なども含めて基準を超える週24時間の時間外勤務を認定した。

2011年12月18日日曜日

教育目標の設定「知事権限なし」政府が答弁書(日経新聞2011.12.16 4版)

大阪維新の会が大阪府議会などに提出した知事が教育目標を設定する教育基本条例案について、政府は16日、「教育目標の設定は、地方教育行政法で定められた場合を除き、教育委員会の職務権限に属する」との答弁書を閣議決定した。みんなの党の渡辺喜美代表の質問に対する回答。

地方教育行政法は、教育に関する首長の職務権限を予算の執行や財産の処分などに限定している。教育基本条例案では、府立高校の教育目標について、知事が設定するよう定めているが、答弁書は「地方公共団体の長に、(教育目標設定の)職務権限はない」と指摘した。

文部科学省が答弁書に先立ち、既に条例案の違法性を指摘していたが、大阪市長に就任する橋下徹氏は、「違法性といっても文科省の解釈にすぎない。従う必要はない」と話していた。

35人学級、小2でも実施へ(日経新聞2011.12.17 4版)

35人学級、小2でも実施へ

 政府は17日までに、公立小学校1年生で導入した「35人以下学級」を、2012年度は小2でも実施する方針を固めた。文部科学省が要望していた法改正を伴う制度化は行わず、教職員の追加配置(加配)で対応する。小2でも35人以下学級が実現すれば、小1の進級時にクラス替えをしなくても済むようになる。

 現在の公立小中学校の1クラスの上限人数は小1を除き40人。文科省はきめ細かい指導を行うため、11年度に小1で35人に引き下げ、他学年で順次実施する方針だった。12年度は小2での実施を求めていた。

 35人以下学級の導入は、教職員増を伴うため財務省が強く反対。既に自治体の独自予算などで全国の9割の小学校で35人以下学級が実現していることもあり、未実施の学校に教職員を加配する方式で、財政負担を抑えながら達成することにした。未実施校だけでなく全小学校分の経費負担につながる制度化は、13年度以降に改めて検討する。

Nikkei.com(2011.12.17 23:48)

公募校長7人採用 銀行部長や自衛隊1佐 大阪府教委、来春配属(朝日新聞 2011.12.17 14版)

大阪府教委は16日、海上自衛隊中央システム通信隊司令(1等海佐)の竹本三保さん(55)ら2人を府立学校の校長に、吉本興業債権管理室長の山下善久さん(47)、元松下電池工業常務の黒河満さん(58)、三菱東京UFJ銀行部長の小田村直昌さん(53)ら5人を府内の小学校の校長に採用する、と発表した。

府立学校で35人、小学校で57人が公募に応じ、府教委が書類選考と集団討論、面接で選考した。7人は1月から研修を受け、配属先は来春決まる。

文部科学省によると、民間人校長は2000に制度化された。

asahi.com(2011.12.17)

※1佐とは、旧軍の大佐にあたる。

新任教諭の自殺は「公務災害」静岡地裁が認定(朝日新聞)

新任教諭の自殺は「公務災害」 静岡地裁が認定

 静岡県磐田市の小学校の新任教諭の自殺をめぐり、遺族が、公務災害と認めなかった地方公務員災害補償基金の処分の取り消しを求めた訴訟で、静岡地裁は15日、「公務と自殺には因果関係がある」と述べ、処分を取り消す判決を言い渡した。山崎勉裁判長は「着任以降、公務で強いストレスにさらされ、適切な支援も受けられなかった」と認定した。

 訴えていたのは、2004年に亡くなった木村百合子さん(当時24)の遺族。

 判決によると、木村さんは同年4月、新任教諭として市立小学校の4年生を担任。授業中に暴れてもがいたり、暴力をふるって周囲にけがをさせたりするなど指導が難しい児童の対応に追われた。5月ごろからうつ状態になり、6月には先輩教師から「アルバイトじゃないんだぞ。給料もらっているんだろ。ちゃんと働け」などとなじられた。9月に指導に対する抗議とも取れる手紙を保護者から受け取った翌日、焼身自殺した。

 山崎裁判長は、学級運営が円滑に進まない状況が恒常化していたと指摘。教頭や上司も、会議の議事録に「思い込み激しい。つまらぬプライド強し」などと記載するなど、木村さんの悩みの深刻さを認識せず、学校の支援態勢は「極めて大きな問題だった」と批判した。そのうえで、06年8月に「本人の性格などが原因となって自殺した」として公務外と認定した基金の判断は誤りだったとした。

 遺族は04年12月に同基金県支部に公務災害の認定を請求していた。木村さんの父親の憲二さん(62)は判決後、「やっと一区切りついたなと感じた。(娘は)ずっと全力で突っ走っていたので、お疲れさんと言ってあげたい」と話した。(小林太一)
asahi.com(2011.12.16 0:59)

2011年12月12日月曜日

社内通報訴訟で慰謝料を支払い オリンパス、社員に(日経新聞2011.12.11朝刊14版)

社内のコンプライアンス(法令順守)の窓口に通報したため不当に配置転換されたとしてオリンパスを訴え、東京高裁で勝訴した社員、浜田正晴(51)に、同社が慰謝料や利息など約2600万円を支払っていたことが10日、分かった。

損失隠し問題で支払いに不安を感じた浜田さん側が預金差し押さえを東京地裁に申し立てていた。11月22日に認められ、12月6日に支払われた。

母子家庭65%「教育費不足」 あしなが育英会調査(日経新聞 2011.12.11朝刊 12版)

高校生の子供がいる母子家庭で「教育費が足りない」と感じている母親が昨年より25ポイント増え、65%に上ることが10日、あしなが育英会が行ったアンケート調査で分かった。

大学や短大への進学希望は41%と同4ポイント減り、就職を希望する世帯の40%が経済的な問題を理由に挙げた。

調査は11月に実施。今回は初めて父子家庭なども対象に含め、計2585世帯を調べた。

この1年間で、勤め先の業績悪化や給料減など、仕事にマイナスの変化があったのは全体で51%。うち23%が「長引く不況」、9%が「東日本大震災や原発事故」を理由に挙げた。

2011年12月7日水曜日

過労自殺 ニコンなど賠償確定 上告退ける 遺族側が勝訴(日経新聞 2011.10.02 朝刊14版)

ニコンの工場に派遣されていた業務請負会社「アテスト」(名古屋市)の元社員、上段勇士さん(当時23)が自殺したのは過重労働による鬱病が原因だとして、母親ののり子さんが両社に賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第2小法廷 (千葉勝実裁判長)は1日までに、両社側の上告を退ける決定をした。計約7058万円の支払いを命じた二審判決が確定した。

二審判決によると、上段さんは1997年10月、アテストの前身の会社に就職し、埼玉県内のニコンの工場で半導体製造装置の検査業務を担当。窓のないクリーンルームなどでの業務が続き、99年3月に自殺した。

一審・東京地裁判決は「ニコンの労務管理のもとで業務に就いていた」などとして両社の責任を認め、計約2488万円の支払いを命じた。

二審・東京高裁も「自殺の原因は業務に起因する鬱病と推認できる」と判断。一審が「鬱病の発症から自殺までの期間が短く、回避可能性が低かった」として減額した分も賠償すべきだと認め、7058万円に増額した。

2011年12月6日火曜日

教育基本条例「議論見守る」文科相 (日経新聞 2011.11.29 夕刊 4版)

教育行政への首長の権限を強化する教育基本条例成立を目指す地域政党「大阪維新の会」代表の橋下徹氏らが大阪府知事・大阪市長のダブル選挙で勝利したことについて、中川正春文部科学相は29日の閣議後の記者会見で「知事、市長がそう言ったから全てが動くということではない。大阪の中でさらなる議論が高まると思うし、その議論を見守りたい」と述べた。

同条例案には府教育委員らが強く反発している。中川文科相は「改革への議論の高まりは大事にしたいが、中身の落としどころはまた違う。議論した上で、こちらが正しいという形にしてほしい」とし、内容の是非については言及しなかった。

文科相 「町費で教科書購入を」 沖縄・八重山 竹富町に圧力発言(しんぶん赤旗 2011.12.03 B版)

沖縄県八重山地区(石垣市、竹富町、与那国町)の中学公民教科書問題で、中川正春文部科学相は2日の閣議後会見で、地区協議会の答申とは異なる教科書を採択するとしている竹富町に対し、「協議会のルール通りやらないと決めるなら、決めたことへの責任をしっかり果たすべきだ」と述べ、答申以外の教科書は町費で購入すべきだとの考えを改めて示しました。

9月8日に八重山地区の全教育委員が協議し、東京書籍版を採択したことを無視し、憲法を敵視する日本教育再生機構の育鵬社版を強行に押しつけるもの。文科省は2日、「答申と異なる採択をするものであれば国は無償給付できず、町が購入し生徒に無償配布していただくほかないと考える」とする文書を県教委に送付、今月末までの報告を求めました。

2011年12月1日木曜日

教職員3割抑うつ傾向 宮城県(2011.11.30 しんぶん赤旗 B版)

宮城県教職員組合は28日、東日本大震災後、公立小中学校の教職員を対象に実施したアンケート調査で、一時的に気分が落ち込む「抑うつ傾向」が認められた人が30.5%に上ったと発表しました。学校側に特に困っていることを尋ねたところ「放射能に関わる対応」が最も多く、48.6%を占めました。

アンケートは9、10月に実施。教職員では全体の4分の1に当たる小学校2437人、中学校938人が回答。学校側は公立小中学校645校のうち328校が回答しました。

教職員を対象に「眠れない」「イライラする」など20項目のストレスチェックを実施したところ、「軽度の抑うつ傾向あり」と判断された人が23.2%、「中程度の抑うつ傾向あり」が7.3%でした。

学校を対象にした調査では、放射能への対応で行事開催の判断や保護者からの問い合わせに追われているとの回答が半数に上りました。他に「転出入に関わる業務量の増加」(37.3%)、「家庭の経済状況が困難な児童・生徒の増加」(35.6%)、「運動場・体育館・特別教室の確保」(33.2%)が多くありました。