2012年8月11日土曜日

時間外勤務誤申請、支援学校7職員処分(朝日新聞2012.8.11朝刊、大阪市内14版)

大阪市教委は10日、時間外勤務を実態より多く申請したとして、生野特別支援学校に務めていた事務職員7人を停職6カ月や減給1〜6カ月の処分にしたと発表した。時間や日付を間違えて記入したといい、「手当をだまし取る意図はなかった」(市教委)とみている。 市教委によると、7人は休暇の日に時間外勤務の実績を書き込むなどして、2006年から約6年間で合計約3万9千円分を余分に受け取った。本来その日のうちに書くべき記録を、メモなどを頼りに1カ月分をまとめてきにゅうしていたという。 ★事務職員は教員と違って、36協定を結んで時間外労働ができる。大阪市の教職員は各自ICカードを持っていて、出退勤時にICカード読取機にかざすことになっている。記録されるのは、出退勤時の時刻だけである。45分の休憩時間の取得の有無は、別の記録簿に記入しなければならない。そのことを詳細に説明をした管理職の存在は寡聞である。私の退職時の学校では、隅っこに立ててあった。 労働組合の存在感は職場によってさまざまだが、管理職の「上から目線」は強まっているように感じる。特に団塊の世代の退職が増えるに従い、たしなめる教員がいなくなり、目の上のタンコブがとれると、自らの考えをさも市教委の考えと教職員に押し付けるやり方が通用している感がする。 労働安全衛生法に理解を示す管理職がどれだけいるのかと心細くなっている。また、衛生推進者が各校にいるのか、安全衛生委員会が機能しているのかと心配が増してくる。 教員でいえば、定数が増えずに仕事量が増している状態は、教育の果たす役割からいっても日本の将来が危惧される。休憩時間の取得できているかと聞くと、現場の教員から笑われる。忙しくて、意識的に書くようにしないとできませんよと回答が返ってくる。書かなければ、休憩時間は取得されるようになっている。 この記事は、現場の労働に見合った労働時間管理システムの変更に結びつかねば、今後再発するものと言わねばならない。懲戒処分で事は済んではいない。現場の労働を見ずして、淀屋橋(現場では市教委事務局を指す)のデスクワークから出た処分と言わねばならない。 ★教員の労働時間は青天井と言われている。最近は若い先生が増えている。22:00に退勤する先生もいると聞く。あるいは、時間外労働といっても07:00に出勤して仕事をする教員もいると聞く。かつては年配の先生が「今日できることも明日にして」居酒屋で飲むのを誘われたことがあった。大らかな時代であったと言えるかもしれない。昭和48年に就職したころ、年配の親しい先生が「忙しくなったな~」と嘆いていたことが思い出される。給特法が成立した後で、教員には残業が原則としてない(例外を除いて)のだよと教えられた。 労働時間管理がなされていないのが教員の世界だとつくづく感じる。この状態を変えるには、給特法の改正と労働基準法の全面適用が求められる。そして、定数法の改正である。どこの教育委員会でも正教員を増やさず、非正規雇用の教員でやりくりしている。非正規雇用教員の生活に目を向けなければならない。

2012年7月7日土曜日

お盆ではないのに、怪談噺

私の友人からメールが来た。 「怪談。」と書いてあった。【一部を除き、そのまま引用する】遂に、対教師暴力が起きました。自分は打ち合わせにはいなかったのですが。 昼の打ち合わせ後、被害に遭われた先生は5限の授業をした(本人の希望でもあったそうですが)というから恐ろしい職場です。【引用終了】 以上の文章から、この職場の雰囲気をどのように想像できますか。 ⬇ 私はその友人に、私の感想を次のように送りました。【返信】で感想を送りました。 管理職の存在感がないですな~。 被害に遭った先生には授業をさせずに、病院へ行くよう説得するのが管理職の務めではないかな。もちろんですが、通院なら年休をとる必要もありません。 生活指導主事の講師さんの動きも見えませんね。組織としての学校でなくなっていますね。評論家的見方でスミマセン。(中略)あなたの「恐ろしい職場」に同意します。くれぐれも君子危うきに近寄らずですよ。 ⬇ 友人からメール。【引用開始】(私の)つたない情報から、今日の問題点を読み取っていただいて、慧眼恐れ入ります。◯◯センセイとも同じようなことを話しました。 怪我する程ではないそうです。でも、学校としてどうするか、管理職としてどう部下を守るか、誰も答えてくれません。大怪我してから動くのでしょうか。 それにしても、自転車通学のときはあんなに猛った管理職と生指部が、今回は大人しいのです。【引用終了】 ⬇ 私から友人へのメール。 職場では、善意の観察者に徹しましょう。間違っても、(私)のように起立して管理職を追求してはなりませぬぞ。 ⬇ 翌朝に、友人からメールが来ました。【引用開始】最近、5時に退勤して9時に寝る生活をしているので、メール送信後、すぐにスリープモードになっていたのでした。身を粉にして働くことに阿呆らしさを感じている今日この頃です。 * このメールのやり取りをご覧になって、どんな感想を持たれただろうか。 昨夜、JR天満駅前で「ディープでチープな会」例会があった。組織名はないし、定例会でもない。スケジュール帳に書くのに必要だから、そう書いているだけだ。大雨だったが、その店は客で賑わっていた。魚と天ぷらが安くて美味しかった。酒の肴は大阪市の教育だった。6人とも現職教師あるいは元教師だ。 現職教師は2年前とは状況がガラリと変わっていると、語る。私が教職から2年前に退いていた。城東区や鶴見区の中学校の状況が語られた。ため息がでる。教師の顔ぶれも若年化している。教員間のコミュニケーションもうまくいかないようだ。かつて環状線の内側を除き、教職員が居やすい職場を◯◯温泉と言ったものだ。管理職が風を吹かせても、悪くいえば無視する、今様ではスルーするのが対抗様式だった。組合の組織率も高かった。60人の教員の中で、未組合員は2人という職場にいたことがあった。 教員が熟慮黙考する習慣の大切さを痛感する毎日である。「論述の手引き」という講義で、教授が言われた。「教室の中に論述の自由な空間がないと、議論の共有は進まない」と。4月からこの講義に休まないで、全出席してきた。その理由は、この授業に「自由な空間」があって、その魅力に惹かれているからだと気づいた。現代の教員に「自由な空間」が保障されているだろうか。将来の主権者(子ども)を教育する教員に「自由な空間」を擁護する責務を私たち大阪市民は負っているのではないだろうか。

2012年5月17日木曜日

就職2カ月で過労自殺 居酒屋チェーン「和民」の26歳女性 異常な長時間労働が原因と両親が労働災害認定を申請(神奈川労連)2010.3.1

森美菜さんは26才という若さで08年6月に自殺しました。名古屋から希望に胸を膨らませ「和民」(ワタミ)に就職するために上京した2ヶ月後に…こんな悲惨なことになるとは予期しないことでした。 亡き美菜さんは京急久里浜店に配属され(1)一週間の座学後、強制的に長時間労働(2)最大7日間連続の勤務(3)研修もまったくないまま、なれない大量の調理業務(4)休日や勤務終了後もレポート書きに追われ、十分な休息時間がとれなかった(5)体調不良を訴えていたにもかかわらず会社はなんら適切な措置をとらなかった(6)さらに朝3時に閉店後も電車が動いていないため帰宅できずお店にいて始発電車で帰ることとなり、過度な疲労と精神的負担が蓄積されました。 名古屋に住む両親が横須賀労基署に労災を申請。労基署は残業時間100時間を超える労働に従事していたことを認めましたが、業務外と決定しました。その理由は、「心理的負荷評価表」の評価の当てはめかたに、大きな問題があります。美菜さんは一週間の会社の研修が終わり、いきなり交代深夜勤務さらに残業もさせられたことについて、「勤務形態に変化があった」として評価表の1にランク付けされました。そして長時間労働は認めましたが総合評価は「中」であり業務外としました。 「和民」の働かせ方に大きな問題があります。所定労働時間、労働基準法を無視して「長時間労働」「連続した深夜勤務」の常態化により美菜さんは心身ともに疲労困憊し26歳という短い生命を絶ちました。 現在、業務上と認めさせるために、両親は労災保険審査官に対し審査請求を行いました。働くもののいのちと健康を守る神奈川センターは両親といっしょに業務上の認定になるよう奮闘しています。3月下旬には結論が出る予定となっています。皆さんのご支援をお願いします。

2012年3月12日月曜日

宿題手伝う母親。小学生で4割 成績重視の傾向強まる(日経新聞 2012.03.08 夕刊 4版)

子供の成績を重視し、小中学校の宿題を手伝う母親が増えていることが、ベネッセ教育研究開発センター(東京)のアンケートで8日までに分かった。昨年9月、首都圏の小中学生の保護者に調査票を配布、約7500人の母親の回答を分析した。  「宿題を手伝う」と答えた母親は小学生が2007年の前回調査から4.5ポイント上昇して40.0%、中学生が2.1ポイント増の15.8%となった。「学校や塾のノートに目を通す」中学生の母親も6.1ポイント増の39.3%に上った。  「できるだけいい大学に入れるよう成績を上げてほしい」と答えた母親は小中学校合わせて30.0%で4.5ポイント増える一方、「学校が楽しければ成績にはこだわらない」は3.7ポイント下がって18.7%となり、成績重視の傾向が強まった。  40%以上が「子供が大人になって独り立ちできるか不安」と感じていることも判明。センターは「世界的な経済危機や東日本大震災で先行きに不透明感が広がり、就職状況も厳しい中、子供に学力を付けさせたい親が増えているのではないか」と話している。〔共同) NIKKEI.com(2012.03.08 11:55)

高校柔道で障害 道に賠償命令 札幌地裁(毎日新聞2012.03.10 朝刊14版)

北海道立芦別高(芦別市)の柔道部の練習中に投げ技をかけられ、受け身を取れずに頭部を強打し脳に障害が残ったとして、石狩市の元女性部員(20)と家族が道に約2億2900万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、札幌地裁は9日、約1億3600万円の支払いを命じた。 判決理由で石橋俊一裁判長は「女性の体調や技能を考えれば、練習試合に出場させるべきではなかった」として、学校側の過失を認めた。 「指導教諭は、健康状態や技量など生徒の特性を十分に把握し、事故を防ぐ注意義務を負う」と指摘した。 判決によると、芦別高2年だった女性は08年8月、柔道部の練習試合で大外刈りをかけられ後頭部を強打。脳に障害が残り、手足もまひしたままで介護が必要になった。同5月にも練習で頭部を打ち、急性硬膜下血腫と診断されていた。

君が代斉唱不起立:大阪府教委、17人を戒告 条例施行後初の処分(毎日新聞2012.03.10 朝刊14版)

大阪府教委は9日、府立学校の卒業式で、君が代斉唱の際、起立しなかった教職員は同日現在29人に上ると発表した。このうち先月に卒業式があり職務命令に反して起立斉唱しなかったとして教員17人を9日付で懲戒処分(戒告)とした。昨年6月の起立斉唱を義務づける府条例施行後、初めての処分。府立学校の卒業式は今月16日まで続くが、過去、君が代を巡って懲戒処分を受けたのは全6人だけで、前例がない大量処分となる見通し。  府教委によると、処分を受けたのは先月24~29日に卒業式があった14校の49~62歳の男女。同様の理由で懲戒処分を受けたことはなく「思想・信条を理由に起立しなかった」などと話しているという。  府教委は起立斉唱しない教職員に対して09年度から懲戒処分を開始。懲戒処分は09年度の卒業式で4人、今年度の入学式で2人だけだった(いずれも戒告)。今月の式で起立しなかった教職員の処分は、月末までに行う方針。  ◇処分の教諭「考え強制恐ろしい」  今回、処分された女性教諭は9日、毎日新聞の取材に対し「思想良心の自由を主張したことで処分されるのは納得できない。一つの考えを強制して全員を立たせようとするのは恐ろしい」と憤った。「君が代の歌の意味は国民主権を掲げた憲法にそぐわない」との思いから起立斉唱に反対してきた。  職員基本条例案が制定されれば4月の入学式から「同じ職務命令に3回違反すれば免職の対象」となる。教諭は2回目までは起立しないことを決めているという。【田中博子】 毎日新聞 2012年3月10日 東京夕刊

君が代斉唱不起立:大阪府教委、誓約書要求 処分17教員に(毎日新聞2012.03.12 夕刊)

大阪府教委が、今春の府立学校の卒業式で君が代斉唱時に不起立だったとして戒告処分にした教員17人に対し、「君が代の起立斉唱を含む職務命令に従う」との書面に署名・押印を求めていたことが12日分かった。  府教委によると、今月9日に行った17人に対する服務規律の講義の後、書面を示し、署名・押印をするかどうかを確認したという。17人のうち定年退職後に再任用された教諭が3人含まれているが、府教委側は「採用要項によると、非違行為があった場合、再任用の取り消しは検討できる」との見解を示しており、再任用の取り消しなどにつながる可能性がある。  府教委は取材に対して「起立斉唱を約束させる誓約書ではなく、あくまでも意思を確認するためのものだ」と説明。実際に署名・押印した人数については「確認中」としている。【堀文彦】 毎日新聞 2012年3月12日 大阪夕刊

教員の相対評価「各学校が選択」橋下市長(毎日新聞2012.03.09 朝刊14版)

大阪市の橋下徹市長は8日、今後の教員評価の仕組みについて、各学校の判断で相対評価を選択できるようにすべきだとの考えを明らかにした。橋下市長は、府市統合本部で学校協議会を通して保護者らの意見を反映させることを条件に絶対評価とすることを認めていたが、この日、「学校協議会を設置するかどうかは、各学校の判断で決めるべきだ」とした。これに伴い、学校協議会を設置しない学校では一定枠の教員を最低評価にすることを義務付ける相対評価が「復活」する形になる。 学校協議会は、開会中の市議会に提案予定の市立学校活性化条例案で規定していた。橋下市長は、学校協議会の設置を義務づけるとした条例案を今後、修正する。府教委が府議会に提案中の条例案にも影響が出るとみられる。【林由紀子】

柔道授業、安全点検後に。中学の武道必修化、(日経新聞 2012.03.09 夕刊4版)

文部科学省は9日、4月から中学の体育で柔道を含む武道が必修化されるのを前に、各学校で教員らによる指導体制や事故発生時の対応、武道場の安全管理などを点検し、準備が整うまでは柔道の授業を始めないよう全国の都道府県知事や教育委員会に通知した。 安全面で保護者らの不安が高まっていることへの対応。通知に併せ、頭部を守る受け身の練習の重要性や投げ技指導の注意点などを盛り込んだ柔道の安全指針も作成、配布した。

2012年3月2日金曜日

中学校長が公務災害申請の文書偽造、停職処分(毎日新聞2012.03.02 朝刊14版)

大阪市教委は1日、市立横堤中学校の校長(55)が、同中学校の女性教諭の公務災害申請にかかわる文書を偽造したとして、停職3カ月の懲戒処分にしたと発表した。校長は同日付で降格され、市教育センターに異動した。 市教委によると、女性教諭は09年9月に担任を務めるクラスの男子生徒から腰を蹴られるなどの暴力を受けたとして、公務災害を申請。校長は申請にあたり、生徒の保護者が賠償するとの「確約書」が必要と誤解し、確約書を偽造したという。校長は「保護者と学校の関係が険悪になっていた中、教諭との板挟みになってやってしまった」と話しているという。 校長が誤解したのは市教委の担当職員(既に退職)の誤った指導が原因だった。市は現在は再任用で勤務しているこの職員を減給3カ月の懲戒処分としている。 【私見】 1.市立中学校の状況の一端が見える。対教師暴力が、地域やマスコミに現れるのは少ない。この学校はかつては小規模校であったが、人口流入でクラス数が増えた。1小学校から進学している。この中学校だけの生活指導の問題ではない。この先生のように公務災害申請をしたくても、しないで悩む先生たちがいる。氷山の一角。第三者被害を受けたのに、健康保険を使うケースがあるだろう。法的には不法行為である。後で公務災害に変えられるが、生徒のことを考えて躊躇するケースが多いと想像できる。聖職者意識が邪魔をする。経験則からいえば殴られ損が多い。対教師暴力に「被害届」や「公務災害申請」を提出するのに、同僚や管理職のサポートがなければ一歩が踏み出しにくい。民間企業のように、法的に割り切れないドロドロ状態が、人的サービス労働なのだ。しかも、公務労働者だから、教師の良心が立ちはだかる。 2.校長は「教諭との板挟みになってやってしまった」という。この校長は「労働安全衛生法」を学習していたのか。まるで女性教諭のせいで、偽造文書を作ったとでも言うのか。管理職の職責の重さを知っているだろう。ボヤキたくなるのは理解する。それより市教委のブロック担当指導主事の指示に従ったのが悔やまれるだろう。市教委の指導だからそれに唯々諾々従う姿勢を自省した方がいいだろう。その担当指導主事は再任用(有期雇用の教諭)となり、減給になった。彼も被害者である。その上司の命令で動いたのであろう。その上司の責任はないのか。担当指導主事個人の誤った指示であれば、その個人が責めを負わなければならない。トカゲの尻尾きりの感がする。 3.クラス担任の女性教諭の腰を蹴った男子生徒。10年前なら?女性を男子が暴力を振るったら、「屁タレ」とみんなから笑い者になったであろう。女性を守るのが男の責任だと共有されていたようだ。しっかり反省しないと、この生徒は悪の学習をしてしまったことになる。

2012年3月1日木曜日

大阪府知事、教職員の徹底調査要求へ 覚醒剤事件受け(Asahi.com2012.03.01)

大阪府立島本高校の教諭が兵庫県警に覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕された事件を受け、松井一郎知事は1日、「学校現場や先生の資質などを徹底的に調査したい」と述べ、すべての府立学校で実態調査をするよう府教委に求める考えを示した。  松井氏はまた、府立学校の卒業式で、府教育長や校長の職務命令に違反して君が代を起立斉唱しなかった教職員について「(今春の)入学式でも同じ人物が同じ行動をとった場合、現場を外し、指導研修に入るべきだ」と主張。府教育長に対応を要請したと明らかにした。先月29日までに卒業式を終えた府立学校74校で不起立の教職員は16人。  従来は起立斉唱の命令違反の教員は戒告処分を受けても、教育現場から外されることはなかった。府議会で審議中の職員基本条例案では、1回目の命令違反は戒告処分とされ、その教員は指導研修を受けることになっている。 【私見】この知事の教養を疑うようになってきました。維新の幹事長でもある重鎮である人が、こんな言動をする。個人の犯罪(推定無罪)を一般化するのは笑い物になる。恥という一語を贈ろう。マートンの「アノミー論」でいうと、「逃避」になる。偉い人になりたいという文化的目標をすでにあきらめている。世間的に認められないような生活をする。純粋無垢な個人が、社会環境がもたらす緊張状態によって、逸脱(悪)行動に走る。

2012年2月25日土曜日

「14年連続自殺者3万人」の国、日本(渡邉美樹NET 2012.01.20)

先日、新聞に小さな記事が載っていた。  警察庁が2011年の全国の自殺者の速報値を発表したのだ。その数3万513人。 なんと、3万人を超えたのは98年から14年連続だ、という。  都道府県別では東京都が最多で3100人。大阪府1899人、神奈川県1824人と続く。 人と人の繋がりが薄い大都市で自殺者数が多いのだろう。 東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県は400人、宮城県は483人、福島県は525人だった。  私はカンボジアに縁が深い。 私が代表理事を務める、公益財団法人「School Aid Japan」は多くの方々の協力を得て、 156校の小中学校、孤児院を一施設これまでに作ってきた。30回以上カンボジアを訪れただろうか。  しかし、私は私の周りのカンボジアの人たちから、誰かが自殺したという話を聞いたことがない。 カンボジアで自殺者がいないとは思わない。 ただ、生きるのが必死の彼らが自ら命を絶とうとは考えないのではないか。 何とか生き抜いてやるというエネルギーをひしひしと感じる。  日本とカンボジアを比べても仕方がないが、圧倒的に日本の方が経済的には豊かだ。 しかし、14年連続で毎年3万人以上自ら命を絶つ社会が真に豊かと言えるだろうか。 我々はあまりに、無関心になってはいないか。その膨大な数に痲痺していないか。  政府のなかに内閣府自殺対策推進室がある。しかし、自殺はいっこうに減らない。 3万人ひとりひとりの自殺の背景をどれだけ細かく把握しているのか。それがなければ対策も何もない。  自殺者は社会のカナリアだと思う。カナリアは坑道などでいち早く有毒ガスを検知する。 「我々の社会はおかしいぞ」と自殺者の方々は、自らの命を絶って訴えているのかもしれない。  「自殺者ゼロの社会」。  都知事選で訴えさせてもらった。実現できたらどんなにすばらしいことだろう。

大阪府立高津高校民間人校長問題:大阪弁護士会が勧告(きょういくブログ 2012/01/14)

大阪府立高津高校(大阪市天王寺区)の教員らが、民間人校長・木村智彦氏(在職2002年4月~2006年3月)から暴言などを繰り返し受けたとして人権救済を申し立てていた問題で、大阪弁護士会は2008年12月26日付で、大阪府教育委員会に対して相談体制の確立や第三者機関の設置など人権侵害発生防止の体制を整えるよう勧告していたことがわかりました。  木村氏は大阪府では初めての民間人校長として、2002年度に高津高校に着任しました。木村校長はトップダウン的改革をおこなおうとして教職員と対立し、意見の異なる教職員に対して大声で怒鳴りつけたり机をたたくなどの威圧的な行動を繰り返しました。木村校長の言動は2002年時点から問題となり、教職員らは教職員組合の支援も得ながら繰り返し話し合いでの解決を図り、また大阪府教委にも訴えていました。しかし事態は悪化する一方で、校長の言動が原因で抑うつ症状を発症して通院や休職・退職に追い込まれる教職員も複数いたということです。  教職員らは2006年3月23日、大阪弁護士会に人権救済を申し立てました。木村校長はその翌日に辞職願を提出し、同年3月末で退職しました。  教職員らは校長の辞任について「訴えが一定の実を結んだ」としながらも、今後同種の事例を再発させないためとして人権救済の申立は取り下げませんでした。弁護士会の調査の結果、今回の勧告となりました。  この問題は教育改革や民間人校長の問題以前に、職場でのパワハラというべきものでしょう。また学校という組織上、校長が率先して教員をいじめているようでは、生徒間のいじめの指導などできるのでしょうか。  また大阪府教委も2002年時点から問題を把握していたにもかかわらず解決に4年もかかり、しかも被害が広がっていたというのは困ったことです。もっと的確に対応すれば被害も最小限に抑えられたのではないかといえます。今後同種の事例の発生を防止するためにも、可能な限り対策をとっていくことが求められます。  なお木村氏は退職後の2006年12月、私立浪速中学校・高校を運営する学校法人大阪国学院(大阪市住吉区)の理事長に就任し、さらに2007年4月以降は浪速中学校・高校の校長も兼任しています。このような人物が教育関係職をつとめていることは大丈夫なのでしょうか。

大阪・浪速中の入試虚偽説明:関大、今年度で浪速中高と連携解消 推薦宣伝に反発(mainichi.com/ 2012.02.24)

大阪市住吉区の私立「浪速高校・関西大学連携浪速中学校」(木村智彦校長)が、実際には取り決めがないにもかかわらず、中学に設置した「関大コース」に入れば関西大学(大阪府吹田市)に推薦入学できると宣伝していた問題で、関大は信頼関係が損なわれたとして今年度末で浪速中・高との連携協定を解消する方針を固めた。少子化を背景に私立学校の高大連携は増えているが、推薦入学を巡って解消するのは異例で、連携の在り方が厳しく問われそうだ。【林田七恵、日野行介】  関係者によると、この問題が毎日新聞の報道で表面化した昨年10月以降、協定を結んだ関大の理事会は、既に在籍中のコース生(約100人)の受け入れを求めたが、承認権限を持つ各学部の教授会が激しく反発していた。最終的に、今年度末で連携協定を解消する一方、高校時点で、併設校(事実上の付属校)の関大一高や関大北陽と同じレベルで、一定の成績を満たしたコース生に限り、1学年30人を上限に受け入れる方向でまとまった。この方針は22日にあった各学部の教授会で報告された。  浪速中では既に新年度の入学手続きが終わっており、12年度に入学するコース生の受け入れについては今後検討される見通し。  一方、教授会の要請で、関大内では調査委員会が設置された。趣旨が不透明な連携協定を結んだ経緯や、理事会側の責任の所在などについて3月末までに報告書をまとめる。  木村校長は昨年10月、浪速中の「関大コース」(中高一貫)に入れば「間違いなく関西大に(推薦)入学できる」と入試説明会で発言し、パンフレットにも同趣旨を記載していた。関大コースは、関大と学校法人間で結んだ連携協定に基づき、10年度から設置された。しかし協定は教職員の人事交流が目的で、中学校名に限って関大連携を付けることは認めたが、推薦入学については「別に協議する」としか書かれておらず、具体的な取り決めはなかった。  関大は広報室を通じて「コメントする段階ではないので差し控えたい」としている。 ==============  ■視点  ◇「ブランド貸し」検証を  関西大学が浪速中・高との連携を解消せざるを得なかった背景には有名私大としての「ブランド」を守りたいという意向がある。しかし少子化時代を迎え、高校・中学の系列化を進める私立大学間の生き残り競争が激化する中、安易に名前を貸した関大側の対応は批判されるべきだろう。  連携協定締結当時(09年6月)の関係者によると、浪速側は関大コース生の推薦入学受け入れを求めたが、学力レベルを不安視した関大側が認めず、「関大」の名前を中学校に付けることだけを認める曖昧な内容になった。その結果、浪速側はブランドを生徒募集に利用、混乱を招いた。  浪速中・高を巡っては、虚偽説明による生徒募集以外にも、▽大学合格者実績の「水増し」▽未払い残業代を9割放棄させた--の問題が明らかになっている。共通するのは、教育と懸け離れた過剰な経営優先の姿勢だ。  私立学校のブランドはあくまでも教育現場としての高い評価だ。双方とも今回の問題を厳しく検証、透明性を高め、再出発につなげることが求められている。【林田七恵】 毎日新聞(2012.02.24 朝刊14版)

留年:OECD、廃止を提言 初・中等教育「非効果的」(毎日新聞 2012.02.24 )

経済協力開発機構(OECD)は、学校教育での留年について「コストがかかるうえ教育成果の引き上げでも効果的ではない」として、廃止を求める教育政策の提言をまとめた。OECDは国際学力テスト「学習到達度調査」(PISA)を実施するなど、教育界に大きな影響力がある。大阪市の橋下徹市長は学力不足の小中学生に対する留年の検討を始めたが、留年の教育効果に批判的な提言が今後の論議に影響を与える可能性もある。  OECDがまとめたのは「教育の公平性と質-恵まれない生徒や学校に対する支援」と題する報告書。落ちこぼれを防ぎ経済成長や社会の発展につなげる教育政策を提言した。  留年の分析では、少なくとも1年留年した経験のある15歳の比率と初等中等教育への総支出に占める留年コストについて原則07年のデータを基に39カ国を比較。OECD平均は留年経験者が13%、コストが4・05%。フランスなど7カ国は留年経験者が30%を超え、このうちスペインなど3カ国はコストが10%以上だった。日本、韓国、ノルウェーはいずれもゼロだった。  留年の欠点はコスト増に加え、学習到達度の生徒間格差の拡大、自尊心への悪影響、問題行動に出る傾向を高めることなどを列挙。留年より効果的な代替策として学習支援や自動的な進級を推奨した。【木村健二】 毎日新聞(2012.02.24 朝刊14版)

不起立教員8人 松井知事「子供たちに悪影響」、橋下市長「公務員をやめろ」(産経新聞 2012.02.24 21:46)

松井一郎知事は24日、記者団に「注目された中で、わざと違反をするのは、組織の一員としてあってはならない。公務員組織の中にいるのではなく、自分の考えを訴えて、政治の道を志したらいい」と批判。  「ルールを率先して破る先生を目にすれば、子供たちにとって非常に悪い影響を与える」と述べた。  国旗国歌条例成立時の知事だった大阪市の橋下徹市長は同日、「その8人の人に府民は公務員をやってくださいと頼んでいない。公務員をやめたらいい。勘違いしすぎだ。教育の現場に携わってもらってもかまわないが、公務員という身分をはずして自由にやれっていいたい」と、憤りを隠さなかった。  これに対し、共産系の大阪教職員組合は「新たな強制押しつけの強化で、内心の自由を保証した憲法に違反している」と、強く反発している。

2012年2月24日金曜日

八重山教科書:竹富教委、寄贈で調達へ(沖縄タイムス 2012.02.23 09:47)

【竹富】八重山地区の中学公民教科書問題で、文部科学省から東京書籍版を使用する場合は「無償措置の対象外」とされている竹富町教育委員会(竹盛洋一委員長、委員5人)は22日、臨時会を開き、一般住民からの寄贈で同版教科書を調達することを決めた。だが個人の教科書購入は通常、無償給付が終了した4月中旬以降。新学期に間に合わない懸念も出ており、県教育庁は「新学期に確実に教科書が届くよう、可能な限りの対策をとる」と同町を支援していく姿勢を示した。  同町教委は寄贈受け入れについて、新学期に間に合わせるための暫定的な措置とし、国には今後も無償給付を訴えていくことも確認した。その上で竹盛委員長は「新学期に教科書を間に合わせることが第一目標」と強調し、具体的な給付方法については「県の助言を受けながら進めたい」とした。  町の来年度の新中学3年生は21人で、教科書の購入費用は約1万5千円。国が同町を「無償対象外」とした昨年10月以降、町教委には県内外から寄付や寄贈の申し出が相次いでいる。  県教育庁義務教育課は「国が無償給与すべきだとの立場は変わらない」とした上で、同町の判断を尊重するとの見解を示した。さらに「同町の生徒たちが、新学期に教科書が間に合わない事態は避けなければいけない。他市町村と同様に教科書を届けるための働きかけは惜しまない」としている。

2012年2月22日水曜日

教員への政治活動アンケート「実施せず」 大阪市教委(Asahi.com 2012.02.21)

大阪市が全職員に政治活動への関与の有無を尋ねた記名式アンケートについて、教員にも調査対象を拡大するよう求められていた市教委は、21日の教育委員会会議でアンケートを実施しないことを決めた。  アンケートは組合活動への参加歴や職場関係者からの投票依頼の経験の有無などを尋ねるもので、橋下徹市長が業務命令として全職員に回答を義務づけていた。だが労組側が大阪府労働委員会に救済を申し立てるなどしたため、市は今月17日、回収したアンケートの開封や集計を一時凍結。これを受け、市教委も「市側が凍結を決めた以上、市教委としても実施する必要はない」と判断した。  また会議では、橋下市長が市議会に提案する市教育基本条例案の原案が市教委事務局から示された。府条例案の規定を踏襲する一方、前文で「我が国と郷土大阪を愛し、大阪らしい新しい文化の創造をめざす」とし、府条例案にはない愛国心の育成を教育理念として位置づけた。教育委員から「様々なルーツを持った子どもがおり、愛国心のくだりは必要ない」との声が出て、再度議論することになった。(阪本輝昭) 朝日新聞(2012.02.21 夕刊4版)

ワタミ社員の自殺、労災認定 入社2カ月の女性(Asahi.com 2012.02.21)

居酒屋「和民」を展開するワタミフードサービス(東京)の神奈川県横須賀市の店に勤め、入社2カ月で自殺した女性社員(当時26)について、神奈川労災補償保険審査官が労災適用を認める決定をしたことがわかった。横須賀労働基準監督署が労災を認めず、遺族が審査請求していた。  決定は14日付。決定書や代理人弁護士によると、女性は2008年4月に入社し、横須賀市内の居酒屋に勤務。連日午前4~6時まで調理業務などに就いたほか、休日も午前7時からの早朝研修会やボランティア活動、リポート執筆が課された。6月12日、女性は自宅近くのマンションから飛び降りて自殺した。  審査官は、深夜勤務で時間外労働が月100時間を超え、休憩や休日も十分に取れなかったと指摘。不慣れな調理業務に就いていたことにも触れて、「業務による心理的負荷が主因となって精神障害を発病した」と認定し、業務と自殺の因果関係を認めた。  女性の父親(63)は「過酷な労働条件で、会社に責任があると認められたのはよかった。同じ状態で働いている人を少しでも救ってほしい」と話した。  親会社の「ワタミ」は「内容を把握していないため、コメントは差し控えさせていただきます」としている。 Asahi.com(2012.02.21)

2012年2月21日火曜日

早大入試に「君が代処分問題」 受験者数を問い合わせ 都教委、一部都立高校に(日経新聞2012.02.20 夕刊 4版)

早稲田大法学部が15日に実施した入学試験の問題で、公立高校での国歌斉唱を巡る教員処分問題を取り上げたことに対し、東京都教育委員会が一部の都立高校に、受験者数などを問い合わせていたことが、20日分かった。都教委は公立学校の教員に起立斉唱を命じる通達を出している。  問題を扱ったのは同学部の受験科目のうち選択科目の「政治・経済」。問題文は「卒業式や入学式で君が代斉唱時に起立しない教員を処分する措置の合憲性が裁判で争われている。何が問題なのか」などと記載。その上で、都の場合に「不起立者に懲戒処分を課しているのは誰か」として、校長、教育委員会、知事などから選ばせる問題などを出題した。 NIKKEI.com(2012.02.20)

2012年2月7日火曜日

君が代不起立で訓告、元教諭の処分取り消さず 大阪地裁(朝日新聞 2012.02.07 朝刊 14版)

卒業式の君が代斉唱時に起立しなかったことなどを理由に訓告処分を受けたのは不当だとして、大阪府門真市立中学校の元教諭の川口精吾さん(58)が門真市と同市教委を指導・監督する大阪府に対し、処分の取り消しと200万円の慰謝料の支払いを求めた訴訟の判決が6日、大阪地裁であった。  中垣内(なかがいと)健治裁判長は処分の取り消し請求について、「訓告は法令で定められた処分ではなく、裁判で取り消す対象にはあたらない」として却下。「当時の校長は学習指導要領に基づき儀礼的行為として起立斉唱を求めており、思想・良心の自由を侵害しない」とし、慰謝料請求を棄却した。  判決によると、川口さんは3年生の学級担任だった2008年3月、卒業式の君が代斉唱で起立しなかった。市教委の聴取にも応じず、09年2月に内部処分にあたる訓告処分を受けた。判決後、川口さんは大阪市内で開いた記者会見で「君が代の問題は議論が必要」として控訴の方針を表明。門真市教委は「引き続き国歌斉唱・国旗掲揚を適正に実施する」との談話を出した。(岡本玄) Asahi.com

2012年2月1日水曜日

公務災害の訴え棄却 高校野球部監督教諭の過労死 甲府地裁(しんぶん赤旗 2012.02.01 B版)

2006年3月、山梨県立白根高校教諭の野球部監督だった山形功さん=当時40歳=が急死した原因をめぐり、「公務外の災害」とした地方公務員災害補償基金山梨支部の決定は不服として、遺族で妻の真弓さん(40)=同県冨士川町が公務災害の認定を求めて起こした裁判で31日、甲府地裁は遺族の訴えを棄却する判決を出しました。

林正宏裁判長は「死亡前6カ月の時間外勤務時間(月平均)は77時間53分」などとし「野球部監督としての公務による負荷が著しく過重であったとは認められない」としました。

判決後、真弓さんは「労災認定を確信していただけに信じられない思いです」と声を詰まらせ、控訴する意向を表明しました。

裁判で原告側は「野球部の朝練習指導のために7時50分に出勤しており、この時間を加えるだけでも時間外勤務時間(月平均)は88時間をこえる」と主張していました。
この始業時間について、判決は「おおむね7時50分ころに出勤していた」と認めましたが、「授業の準備やその他の雑務の処理のために毎朝7時50分に出勤することを余儀なくされていたとは認められない」としました。

原告代理人の松丸正弁護士は「全国の野球部監督の先生方の努力が報われない不当な判決。『ほどほどにしておけ』といわんばかりの現場を見ない内容」と批判しました。

職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告(厚生労働省 2012.01.31)

~「職場のパワーハラスメント」の予防・解決に向けた労使や関係者の取組を支援するために、その概念や取組例を整理~

 厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ」(主査:佐藤博樹東京大学大学院情報学環教授)では、職場の「いじめ・嫌がらせ」、「パワーハラスメント」が、近年、社会問題として顕在化してきていることを踏まえ、「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」(座長:堀田力さわやか福祉財団理事長)からの付託を受けて、昨年7月から、(1)この問題の現状と取組の必要性、(2)どのような行為を予防・解決すべきか、(3)この問題への取組の在り方等について議論を重ねてきました。

 本日開催した第6回会合で、円卓会議への報告を取りまとめましたので、公表します。円卓会議は今後、この報告を基にさらなる議論を行い、本年3月を目途に、この問題の予防・解決に向けた提言を取りまとめる予定です。

【報告のポイント】
1.はじめに:なぜ職場のいじめ・嫌がらせ問題に取り組むべきか(報告書p1~4)
  職場の「いじめ・嫌がらせ」、「パワーハラスメント」は労働者の尊厳や人格を侵害する許されない行為であり、早急に予防や解決に取り組むことが必要な課題である。
企業は、職場の「いじめ・嫌がらせ」、「パワーハラスメント」による職場の生産性の低下や人材の流出といった損失を防ぐとともに、労働者の仕事に対する意欲を向上させ、職場の活力を増すためにも、この問題に積極的に取り組むことが求められる。

2-1.職場からなくすべき行為は何か(報告書p4・5)
  「いじめ・嫌がらせ」、「パワーハラスメント」という言葉は、どのような行為がこれらに該当するのか等、人によって判断が異なる現状があるが、とりわけ、同じ職場で行われる「いじめ・嫌がらせ」、「パワーハラスメント」については、業務上の指導との線引きが難しいなどの課題があり、労使の取組を難しいものとしている。
そのため、ここでは、労使が予防・解決に取り組むべき行為を以下のとおり整理し、そのような行為を「職場のパワーハラスメント」と呼ぶことを提案した。

職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性(※)を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう。
※ 上司から部下に行われるものだけでなく、先輩・後輩間や同僚間、さらには部下から上司に対して様々な優位性を背景に行われるものも含まれる。
 
2-2.職場のパワーハラスメントの行為類型(報告書p5・6)
  職場のパワーハラスメントの行為類型を以下のとおり挙げた(ただし、職場のパワーハラスメントのすべてを網羅するものではないことに留意する必要がある。)。
類型 具体的行為
(1)身体的な攻撃(暴行・傷害)
(2)精神的な攻撃(脅迫・暴言等)
(3)人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
(4)過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害)
(5)過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
(6)個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)

3.労使の取組(報告書p6~10)
  この問題を予防・解決するための労使の取組については、まず、企業として職場のパワーハラスメントはなくすべきという方針を明確に打ち出すべきである。
対策に取り組んでいる企業・労働組合の主な取組の例と、取り組む際の留意点は以下のとおり。

予防するために
 ○トップのメッセージ
 ○ルールを決める
 ○実態を把握する
 ○教育する
 ○周知する

解決するために
 ○相談や解決の場を設置する
 ○再発を防止する

行政は、
・問題の現状や課題、取組例などについて周知啓発を行うべき。
・併せて、この問題についての実態を把握し、明らかにするべき。

2012年1月31日火曜日

糖尿病発症の危険性 睡眠「5時間以下」で5倍(毎日小学生新聞 2012.01.31)

1日の平均睡眠時間が5時間以下の人は、7時間を超える人と比べて、糖尿病を発症する危険性が5倍以上高くなることが、旭川大学や北海道大などの分析で分かりました。

糖尿病は、人間の活動のエネルギー源となるブドウ糖がうまく使われず、血液中にあふれる病気で、不適切な生活習慣が原因の「生活習慣病」の一つです。

研究チームは2003年度、糖尿病ではない35〜55歳の3570人を調べました。その結果、07年度までの4年間で121人が糖尿病を発症し、このうち家族や親戚に糖尿病患者がいない人の発症の危険性は、5時間以下の人は7時間を超える人と比べ約5.4倍高かったそうです。

外国の研究でも、睡眠時間が極端に短かったり長かったりすると、病気になる危険が高くなる結果が出ています。研究チームは「質のいい適切な時間の睡眠を」と話しています。

職場パワハラ6類型 厚労省部会 「部下から上司も」対象(日経新聞 2012.01.31 朝刊13版)

厚生労働省のワーキンググループは30日、職場でパワーハラスメントに当たる可能性のある行為を6つに類型化した報告書をまとめた。暴力や侮辱に加え、無理な仕事の強制や仕事を与えない行為なども挙げた。上司からだけなく、同僚間や部下から上司へのいじめや嫌がらせも含めるべきだと提案した。



 パワハラに当たる行為を整理したのは初めて。報告書を受け、同省の専門家でつくる会議は3月をめどに、予防や解決に向けた提言をまとめる。

 報告書では、職場のパワハラに当たりうる行為について、(1)暴行などの「身体的な攻撃」(2)侮辱や暴言などの「精神的な攻撃」(3)無視などの「人間関係からの切り離し」(4)不要な仕事の強制などの「過大な要求」――など6つに分類した。

 職場のパワハラは「業務上の指導と線引きが難しい」との声があり、報告書は(1)~(3)以外のケースでは「業務上の適正な範囲」であれば本人が不満に感じてもパワハラには当たらないと指摘。企業や職場ごとに範囲を明確にすることが望ましいとしている。

 また、上下関係を示す職務上の地位だけでなく、人間関係や専門知識などを背景にした嫌がらせなどもあることから、同僚同士や部下から上司に対する行為も「パワハラ」とするよう提案した。

 対応策としては、まず企業がパワハラをなくす方針を明確に打ち出すことを求めた。具体的には企業トップが従業員へメッセージを出したり、労使協定を結んだりすることなどを挙げている。

 厚労省によると、全国の労働局に寄せられた職場のいじめや嫌がらせに関する相談件数は2002年度は約6600件だったが、10年度は6倍の約3万9400件に急増している。

NIKKEI.com

日本ペンクラブ声明「私たちは大阪府教育・職員基本条例案に反対します」

「私たちは大阪府教育・職員基本条例案に反対します」

 教育は息の長い仕事です。多種多様な人間を育み、それによって社会と世界を豊かにする仕事です。
 そこから「常に世界の動向を注視しつつ、激化する国際競争に対応できる」人も生まれてくれば、「そんな目先のことより、自然や文学や歴史のほうが面白い」「自分の暮らしや趣味や家族のほうが大切」という人間も育ってくる。いずれにしても教育は、人間をひとつの型やルールにはめ込んで管理するものではありません。
 さて、大阪府の橋下徹知事が代表を務め、府議会の最大会派である大阪維新の会は九月二十一日、「大阪府教育基本条例案」と「同職員基本条例案」を議長に提出しました。同様の内容の条例は、大阪、堺両市議会にも提出予定と報じられています。
 その案は多岐にわたりますが、こと教育に関して中心となるのは、知事が教育目標を定め、その下の教育委員会―校長―教職員を指揮命令系統のように序列化し、そこから外れると見なした教職員を一律に排除することでしょう。この条例が成立すれば、例えば学校行事では起立して君が代を斉唱する、というような職務命令に三回従わなかったり、勤務評定が二年連続して悪かった教職員をほぼ機械的に免職できるようになります。
 これはまるで工場の品質管理です。工業製品であれば一定の品質確保は大事ですが、それが人間に向けられると、不適格とされた人が生活を奪われるだけでなく、教育の場に均質の教職員だけが残り、均質の教育が行われ、均質の子供たちが育ってくることになる。果たしてそんなことで、「常に世界の動向を注視しつつ、激化する国際競争に対応できる」人が育つでしょうか。
 失礼ながら、右に二度も例示した、いささか時代がかった人物像は教育基本条例案前文から引用させてもらいました。この前文に他の人間像についての言及がまったくないところに、まさに指揮命令系統や規律・規範好きにありがちな、人間や世界についての均質な見方がすでに現われています。
 日本ペンクラブは平和を願い、言論・表現の自由を何より大切にする文学者や文筆・編集関係者の集まりです。私たちの思想信条はさまざまですが、思想信条によって人が序列化されたり、差別・弾圧されたり、また職場や地域や国から追われることには、これまでも反対してきましたし、これからも反対します。
 よって私たちは、大阪府教育・職員基本条例案に反対します。

           二〇一一年九月二十六日
日本ペンクラブ会長        浅田次郎
同 言論表現委員会委員長  山田健太
日本ペンクラブ www.japanpen.or.jp/

2012年1月28日土曜日

君が代訴訟 2月9日判決 最高裁(しんぶん赤旗 2012.01.28 B版)

入学式や卒業式で、「日の丸」に向かった起立と「君が代」の起立斉唱を義務付けた東京都教育委員会の通達(10・23通達)は憲法に違反するとして、都立学校の教職員ら375人が都教委などを相手に、従う義務はないことの確認などを求めた訴訟(予防訴訟)の上告審で、最高裁第1小法廷(宮川光治裁判長)は26日、判決期日を2月9日に指定しました。

一審東京地裁は2006年、「懲戒処分をしてまで起立、斉唱させることは思想良心の自由を侵害する」として通達の強制は違憲と判断し、処分の事前差し止めと損害賠償を命じましたが、二審東京高裁は昨年、通達は合憲として請求を退けていました。

長時間労働でうつ病リスクが2倍以上に、英研究(2012.01.27 AFP )

【1月27日 AFP】1日11時間以上働く英国の公務員のうつ病リスクは、1日7~8時間働く同僚の2倍以上だとする論文が、25日の米科学誌「プロスワン(PLoS ONE)」(電子版)に発表された。

 フィンランド労働衛生研究所(Finnish Institute of Occupational Health)のマリアンナ・ヴィルタネン(Marianna Virtanen)氏とロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ(University College London、UCL)が主導したこの研究は、うつ病の病歴や心理的なリスク要因がない英国の公務員2100人以上を、平均で6年近くにわたって追跡調査した。

 すると、1日の労働時間が11時間だった人が重いうつ病を発症する確率は、7~8時間の人の2.3~2.5倍だった。飲酒やドラッグの使用、社会的支援の有無、仕事の負担といった諸要素を考慮に入れても、長時間労働とうつ病の関係は変わらなかった。

 論文はその理由について、仕事と家族の板挟み、ストレスホルモン濃度が高い状態が続くこと、仕事の後にひと息つく時間がないことなどの可能性を挙げた。ヴィルタネン氏は、「たまにする残業は本人と社会にとって有益かもしれないが、残業が重いうつ病リスクの上昇と関係していることも知っておく必要がある」と指摘した。

 残業とうつ病の関係が肉体労働者や民間企業の従業員にも存在するのかを見るため、さらに大きなサンプル集団で調査を行う必要があると論文は述べている。

 ちなみに一般人口におけるうつ病の発症率は5%だが、今回の調査でうつ病を発症した人は66人、全体の3.1%に過ぎなかった。(c)AFP
(AFP 15:54)

2012年1月27日金曜日

保育現場でパワハラ 損害賠償求め口頭弁論 東京地裁(しんぶん赤旗 2012.01.26 B版)

東京都中野区で運営する区立打越保育園で、指定管理者制度により事業の委託を受けた株式会社ピジョンハーツからパワハラを受け、解雇や自宅待機を命じられた女性と男性の保育士2人が損害賠償を求めた裁判の第1回口頭弁論が25日、東京地裁でありました。

 訴えによると、同保育園では子どもへの体罰など危険行為が行われており、原告が意見をのべたことをきっかけに、パワハラが始まりました。

 原告の女性は前園長から「あなたは危険人物」「別の職場を見つけて」などと繰り返し叱責や退職強要をうけ、研修や用務職への異動、卒園式での自宅待機を命じられ、昨年12月に解雇されました。また男性も暴言や無視など職場ぐるみのパワハラを受け続け、裁判を起こしたことでことし1月に自宅待機命令を受けました。同保育園では2010年度だけで10人の職員が退職しています。

 裁判所には支援者81人が傍聴につめかけました。女性は意見陳述で「こんなことを平気でする会社でよい子は育ちません。悪質な保育をこれ以上させてはいけません」と訴えました。

 報告集会で東京法律事務所の笹山尚人弁護士は、豊かな保育のありかたが問われると同時に、民間に保育事業を丸投げすればこういうことが起こるという問題を提起する重要な裁判だと話しました。

 原告の2人は19日、日本共産党の田村智子参院議員を訪問し、解雇撤回や職場復帰に向け、協力を要請しました。

オリンパスに人権侵害で警告 内部通報配転問題(日経新聞 2012.01.27)

社内のコンプライアンス(法令順守)窓口に上司の行為を通報したため配置転換などの報復を受けたとして、オリンパス社員、浜田正晴さん(51)が東京弁護士会に人権救済を申し立てたことを受け、同弁護士会は27日、「重大な人権侵害に当たる」として同社に警告したと発表した。

 同弁護士会は「通報の事実が上司に伝わったこと自体が重大な人権侵害に当たり、その後の配置転換や低い人事評価も不当だ」と指摘した。

 浜田さんはオリンパス側を相手取って配転無効などを求める訴訟を起こしており、東京高裁は昨年8月、配転は無効とする判決を言い渡した。会社側が上告中。

NIKKEI.com(2012.01.27 18:57)

2012年1月26日木曜日

時事通信記者死亡:過労死と認めず 東京高裁(毎日新聞 2012.01.25)

時事通信社政治部記者だった森田一樹さん(当時36歳)が糖尿病の急激な悪化で死亡したのは過労のためとして、父一久さん(81)が国に労災認定を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(大竹たかし裁判長)は25日、1審・東京地裁判決(10年4月)を支持し、一久さん側の控訴を棄却した。

 判決は1審判決と同様、森田さんが97年に死去する半年前の時間外労働が月134時間だったことなどから「過重な負荷がある仕事だった」と認めたが、「ストレスが糖尿病の急激な悪化にどう影響するのかは医学的知見が定まっていない」として死亡との因果関係を否定した。

 判決後、記者会見した一久さんは「残念、無念だ」と言葉を詰まらせた。【野口由紀】

 ▽時事通信社の話 在職中の社員が死亡したことを厳粛に受け止め、社員の健康管理には十分配慮していく。

毎日新聞(2012年1月25日 23時54分)

2012年1月24日火曜日

学校不祥事、大阪市教委が内部告発推奨(中国新聞 2012.01.24)

大阪市教育委員会は24日、内部告発で学校現場の不祥事解明に協力した教職員は原則的に免職しないとする懲戒処分の改正指針を承認した。市職員の内部告発を推奨する橋下徹市長の意向を受け、市教委事務局が改正案を作成した。

 指針は(1)自主申告で非違行為が発覚(2)調査に協力して自らの非違行為に関する不祥事の全容解明に寄与―したと認められる場合、悪質な事案を除いて免職としない規定を新たに盛り込んだ。

 25日以降の懲戒処分に適用する。

 会議で複数の教育委員が「学校現場は先生同士の信頼関係をベースにすべきだ」と内部告発を推奨する指針改正に疑問の声を上げたため、教職員の信頼関係を強化する取り組みを新たに検討することなどを条件とした。

公務災害 監督の過労死認定を 甲府地裁結審 妻が最終陳述(しんぶん赤旗 2011.10.12)

くも膜下出血で急死した山梨県立白根高校の教諭で野球部監督の山形功さん=当時(40)=の遺族が「過重労働が死亡の原因」として公務災害認定を求めていた裁判が11日、甲府地裁(林正宏裁判長)で結審しました。判決は来年1月31日に行われます。

最終意見陳述では、死亡した山形さんの妻で原告の真弓さん(39)が「夫が亡くなって5年6カ月。2人の娘も中2と小6になりました。子どもたちの成長を2人で見守ってきたかった。教師として全身全霊をかけた夫の熱意を正しく認めてください」と陳述しました。

裁判所にはこの日までに、裁判を支援する会が集めた4万人を超す署名と、県内の高校でクラブ活動を指導する教師からの「公務災害認定を求める」要望書371人分が届けられています。

2012年1月23日月曜日

過労死防止法制定求め署名 遺族ら、全国一斉(朝日新聞 朝刊 14版 2012.01.22)

働き過ぎによる死を防ぐための「過労死防止基本法」の制定を求めて、遺族や弁護士が21日、全国一斉に100万人分を目標に署名集めを始めた。大阪市城東区のJR京橋駅前では同日、遺族や弁護士ら約30人が署名を呼びかけ、1時間で約400人分が集まった。

法案は、国や自治体は過重労働対策を策定・実施する責務を負うとし、企業には労働者の健康を損なわないための措置をとる責務があると定める内容。

京橋駅での署名集めに加わった京都市の寺西笑子さん(63)は1996年、飲食店チェーンの店長だった夫(当時49)を自殺で亡くした。「一人でも多くの人に過労死を自らの問題と考えてもらい、国を動かしてゆきたい」と訴えた。(阪本輝昭)

2012年1月22日日曜日

八重山教科書:全図書順位付け資料が存在(沖縄タイムス2012.01.22)

【石垣】教科用図書八重山採択地区協議会が2010年の小学校教科書選定で、調査員が全ての図書を順位付けした資料の存在が21日までに明らかになった。石垣市教育委員会が市民の請求に応じ情報公開した。これまで地区協議会会長の玉津博克石垣市教育長は、現場教員らの調査員が「順位1位」だけを報告し他図書を排除したと批判し、調査員の順位付けを廃止したが、その根拠を覆す資料となる。

 玉津会長は昨年8月22日の会見で、市教委に保管されている10年の協議会資料には推薦順位1位の教科書しかつづられていないとし、「調査員が1位に選んだ教科書しか協議会に報告していなかった」と主張。県教委が是正を求めている、推薦教科書の「一種絞り込み」だと指摘した。

 市教委学校指導課は、2位以下の報告書が昨年11月に教科書担当者の書庫から見つかったと説明している。「10年当時の調査員からは1位以外の調査報告書も提出したと聞いていたが、(昨年8月当時は)2位以下の調査報告書は見つからなかった」としている。

 一方、竹富町教委には1~6位まで順位付けされた調査報告書が存在していたことから、市民からは「隠しているのでは」と疑問の声があがっていた。
okinawatimes.com(2012.01.22 09:21)

2012年1月21日土曜日

近畿大学泉州高校事件、勝利和解(2012.01.16)

近大泉州高校分会の川崎分会長・櫻井副分会長の不当処分撤回裁判の和解協議が16日、大阪高等裁判所で開かれ、処分撤回・減給分の支払いを含む、勝利和解が成立しました。

新型インフル対策見直し 欠席10%で学級閉鎖 厚労省が意見書(日経新聞2012.01.19 朝刊13版)

厚生労働省の新型インフルエンザ専門家会議は18日、対策のガイドライン見直しの意見書をまとめた。感染の拡大を防止するため、季節性インフルエンザでは欠席率15%としている学級閉鎖の目安を、新型では同10%へ引き下げることなどを盛り込んだ。

政府の新型インフルエンザ関係省庁対策会議は意見書を踏まえ、ガイドラインの改定作業を進める。

今回のガイドライン見直しは、新型発生時の対応を定めた昨年9月の行動計画改定に基づく。意見書は、季節性では3〜5日間が多い学級閉鎖の期間を1週間程度とすることを提示した。

「中学生日記」3月で終了(日経新聞2012.01.19 朝刊13版)

NHKは18日、放送開始から50年になる名古屋放送局制作の長寿ドラマ「中学生日記」(Eテレ、金曜夜)を3月16日の放送分で終了させると発表した。「ここ数年ターゲットの中学生の支持が思うように得られなくなったため」としている。

君が代判決 都知事が批判(しんぶん赤旗 2012.01.19 B版)

東京都の石原慎太郎知事は18日、君が代斉唱の際に起立しなかった都の教職員らの処分を一部取り消した最高裁判決について「不服だ」と批判しました。都庁内で記者団の質問に答えました。
石原知事は「立って国歌を歌い、国旗に敬意を払うのは、公立の教育者として基本的な姿勢だ」と強調。その上で「これは徹底していかないとだめだ。それをするように教育委員会には働いてもらいたい」と述べました。

2012年1月18日水曜日

柔道、中高生114人死亡していた 名大調査(読売新聞2012.01.18)

学校での柔道事故を巡っては、受け身の習得が不十分なまま投げ技練習に参加したり、頭を打った後に適切な救急措置を受けられなかったりした生徒が死亡するケースが後を絶たない。

 名古屋大の内田良准教授(教育社会学)によると、柔道事故で死亡した中学、高校生は1983~2010年度の28年間に全国で114人(中学39人、高校75人)。中高ともに1年生が半数以上を占め、計14人が授業中の死亡例。また、後遺症が残る障害事故も83~2009年度で275件あり、3割は授業中だった。

 中学の部活動における競技別の年間死者数(2000~09年度の平均、10万人当たり)を見ると、柔道が2・376人で、2番目のバスケットボール(0・371人)に比べても圧倒的に多い状況だった。死亡原因の大半は頭部外傷で、内田准教授は「首の筋力などが未発達なうちに、安易に立ち技や乱取りを行わせるのは危険」と警鐘を鳴らす。

Yomiuri Online(2012.01.18)

2012年1月17日火曜日

大阪、教育基本条例案見直しへ 君が代訴訟判決で 橋下市長「整合性を取らないと」(日経新聞 2011.01.16)

最高裁判決を受けて、「大阪維新の会」を率いる橋下徹大阪市長は16日、大阪府・市の2月議会へ提出し、成立を目指している教育基本条例案について「最高裁判決との整合性を取らないといけない」と述べた。松井一郎知事は同日、条例案を見直す意向を示した。

 条例案は、国歌斉唱時の起立など同一の職務命令に2回違反し、指導研修をした上でも再度違反した場合、懲戒免職にすると明記している。

 最高裁は「過去1、2年に数回の不起立処分のみで停職は不適当」としており、松井知事は「処分を単に回数で区切る点は見直さなければならない」とした。橋下市長は「指導研修の中身が重要になる。指導研修してそれでもなお(起立が)嫌というなら、辞めてもらったらいい」と話した。

 大阪維新の会は「学校現場の組織マネジメント」が必要として、府議会で昨年、公立学校の教職員に起立を義務付ける全国初の「君が代起立条例」を成立させた。教育基本条例案で罰則規定を補完する考えで、同条例案は、府と市の「府市統合本部」で教育委員らも交え、修正するかを議論する見通し。

NIKKEI.com(2012.01.16 22:18)

2012年1月16日月曜日

君が代不起立、停職・減給は「慎重に」 最高裁 2人の処分の取り消し(日経新聞2012.01.16 )

卒業式などで国歌斉唱時に国旗に向かって起立せず、懲戒処分を受けた東京都の公立学校の現・元教職員ら計約170人が処分取り消しなどを求めた3件の訴訟の上告審判決が16日、最高裁第1小法廷(金築誠志裁判長)であり、停職2人のうち1人と、減給1人の処分を「裁量権の乱用で違法」として取り消した。残る停職1人と戒告の処分は適法と判断した。

 同小法廷は、減給以上の処分は「行為の性質を踏まえた慎重な考慮が必要」と指摘。学校秩序を大きく害する行為で過去に処分歴があるなど具体的事情がない限り、違法とする初判断を示した。

 国旗に向かっての起立と国歌斉唱を求めた校長の職務命令違反に対する過重な処分に一定の歯止めをかけた形。橋下徹大阪市長率いる地域政党「大阪維新の会」が成立を目指し、命令違反3回で免職とする教育基本条例案にも影響しそうだ。

 同小法廷は判決理由で、減給や停職処分ができるのは「規律や秩序を大きく害する行為で処分歴があるなど、処分による不利益と比べても、なお処分が必要な場合に限られる」と説明。処分が不適当な例として、停職は「過去1、2年に数回の不起立処分歴だけの場合」、減給は「過去1回の不起立処分歴だけの場合」と具体的に指摘した。

 その上で、2年で3回の処分歴があり停職1カ月とされた1人と、過去1回の処分歴で減給とされた1人の処分を取り消した。国旗を引きずり降ろすなどして懲戒5回と訓告2回の1人の停職3カ月は「重すぎない」と判断、戒告の168人は「裁量の範囲内」とし、いずれも適法とした。

 5人の裁判官中4人の多数意見。宮川光治裁判官(弁護士出身)は「教員の精神の自由はとりわけ尊重が必要。違法性は極めて希薄で、戒告でも重すぎる」と反対意見を述べ、処分は全て取り消すべきだとした。

 一、二審判決によると、原告らは2003~06年、不起立やピアノ伴奏拒否を理由に都教育委員会から懲戒処分を受けた。一審は3件の訴訟とも原告側敗訴。二審は戒告と減給に関する2件で原告側、停職の1件で都側がそれぞれ勝訴した。

 最高裁判決後、原告らは記者会見し、減給取り消しが確定した元教員、渡辺厚子さん(61)は「処分の累積を許さないという判断は大きな勝利だ」と指摘。弁護団も「免職に行き着く処分システムに歯止めがかかった」と一定の評価を示した。

 大原正行・東京都教育長は処分取り消しの判決について「厳粛に受け止める」とコメントした。

NIKKEI.com(2012.01.16 19:09)

2012年1月15日日曜日

ユニ・チャーム、通年で就業時間前倒し 残業減に効果(日経新聞2012.01.14 朝刊14版)

ユニ・チャームは4月から就業時間を1時間前倒しする。東日本大震災後の昨年5月以降、節電対策として始業時間を早める「サマータイム」を臨時に導入してきたが、残業時間が減るなど仕事面でも効果が見られたため、国内の正社員を対象に通年で導入する。

 節電対策でサマータイムを取り入れた企業は多いが、効果を検証したうえで就業規則の変更に踏み切る例は珍しい。震災から1年を機に、新たな働き方を探る動きが広がる可能性もある。

 このほど開いた取締役会で就業規則の改定を決めた。始業・終業時刻をそれぞれ1時間早め、午前8時~午後4時50分を就業時間とする。対象は約1000人強の社員。

 東京電力福島第1原子力発電所の事故による電力不足に対応するため、ユニ・チャームは昨年5月に「サマータイム」を実施。当初は9月までの予定だったが、今年3月末まで延ばしていた。

 就業時間の前倒しで、夏には消費電力が3割超も減ったほか、残業時間も1人当たり月3~4時間少なくなったという。朝早くから小売店からの出荷などの要望にも対応でき、仕事の効率も高まった。「海外展開を加速するためにも業務効率のあがる働き方への切り替えが必要」(高原豪久社長)と判断した。

 サマータイムは昨夏、多くの大手企業が導入。KDDIや伊藤園なども効果を検証している。ファーストリテイリングは昨年秋に午前7時の始業に変更したが、グローバル対応が主な狙いで節電とは直接関係ない。

 就業時間の前倒しは働き方や生活を変えるきっかけにもなる。昨夏は早朝に勉強やスポーツに励む「朝活」のほか、飲食業では「アフター4」の需要も盛り上がった。

NIKKEI.com(2012.01.14 0:42)

市立小中一貫校「スーパー学校に」 橋下市長(読売新聞 2012.01.14 )

大阪市の橋下徹市長は13日、今後開校予定の市立小中一貫校2校について、「私立と同等かそれ以上の教育を受けられるスーパー学校にしたい」との意向を明らかにした。

 うち1校は橋下市長の母校で、「せっかく市長になったんだから、それぐらいさせてほしい」と述べた。

 橋下市長が「スーパー学校」に想定しているのは、矢田小(東住吉区)を矢田南中(同)に移設して4月に開校する1校と、啓発小(東淀川区)と中島中(同)を合わせて来年度以降に開校予定の1校。橋下市長は啓発小と中島中を卒業している。

 通学区域については、「(学校周辺)地域が活性化する」として、「市内全域」とする意向も示した。

YOMIURI ONLINE(2012年1月14日09時16分)

「すごい学校つくる」小中一貫特進校 橋下市長が方針(産経新聞 2012.01.13)

大阪市の橋下徹市長は13日、市議会の民主系会派との面談で、市内に新設する予定の市立小中一貫校2校について「小中の特進校みたいな、すごい学校をつくろうと思っている」と述べ、高いレベルの教育をする学校として位置付ける方針を明らかにした。

 2校は既存の小中学校の施設を利用し、今年4月と平成25年度にそれぞれ設置する計画。

 橋下氏は「お金がなくても私立と同等、それ以上の教育ができる学校というコンセプトだ」と記者団に狙いを説明。「市内全域から入学を認める学校にしてもいい」と述べ、通学区域は限定しない方針だ。

MSN産経ニュース(2012.01.13 23:44)

2012年1月14日土曜日

教師は忙しすぎる (朝日新聞「職場のホ・ン・ネ」 朝刊 13版 2012.01.13)

昨年12月23日付の「情報管理、低い意識」を読みましたが、私が勤める高校では生徒の個人情報をこっそり持ち帰るようなことはありません。その代わり、朝7時前に5人以上が出勤し、夜は8時、9時まで校内に残る教師が多くいます。勤務時間内にとても仕事が終わらないからです。生徒の個人情報は持ち出しませんが、作りかけの授業のプリントやテストは持ち帰り、家で「残業」することもあります。実質労働時間が1日平均12時間を超えるような異常な労働状況のもとで働いています。
(北海道 40代男性 教師)