2012年3月12日月曜日

宿題手伝う母親。小学生で4割 成績重視の傾向強まる(日経新聞 2012.03.08 夕刊 4版)

子供の成績を重視し、小中学校の宿題を手伝う母親が増えていることが、ベネッセ教育研究開発センター(東京)のアンケートで8日までに分かった。昨年9月、首都圏の小中学生の保護者に調査票を配布、約7500人の母親の回答を分析した。  「宿題を手伝う」と答えた母親は小学生が2007年の前回調査から4.5ポイント上昇して40.0%、中学生が2.1ポイント増の15.8%となった。「学校や塾のノートに目を通す」中学生の母親も6.1ポイント増の39.3%に上った。  「できるだけいい大学に入れるよう成績を上げてほしい」と答えた母親は小中学校合わせて30.0%で4.5ポイント増える一方、「学校が楽しければ成績にはこだわらない」は3.7ポイント下がって18.7%となり、成績重視の傾向が強まった。  40%以上が「子供が大人になって独り立ちできるか不安」と感じていることも判明。センターは「世界的な経済危機や東日本大震災で先行きに不透明感が広がり、就職状況も厳しい中、子供に学力を付けさせたい親が増えているのではないか」と話している。〔共同) NIKKEI.com(2012.03.08 11:55)

高校柔道で障害 道に賠償命令 札幌地裁(毎日新聞2012.03.10 朝刊14版)

北海道立芦別高(芦別市)の柔道部の練習中に投げ技をかけられ、受け身を取れずに頭部を強打し脳に障害が残ったとして、石狩市の元女性部員(20)と家族が道に約2億2900万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、札幌地裁は9日、約1億3600万円の支払いを命じた。 判決理由で石橋俊一裁判長は「女性の体調や技能を考えれば、練習試合に出場させるべきではなかった」として、学校側の過失を認めた。 「指導教諭は、健康状態や技量など生徒の特性を十分に把握し、事故を防ぐ注意義務を負う」と指摘した。 判決によると、芦別高2年だった女性は08年8月、柔道部の練習試合で大外刈りをかけられ後頭部を強打。脳に障害が残り、手足もまひしたままで介護が必要になった。同5月にも練習で頭部を打ち、急性硬膜下血腫と診断されていた。

君が代斉唱不起立:大阪府教委、17人を戒告 条例施行後初の処分(毎日新聞2012.03.10 朝刊14版)

大阪府教委は9日、府立学校の卒業式で、君が代斉唱の際、起立しなかった教職員は同日現在29人に上ると発表した。このうち先月に卒業式があり職務命令に反して起立斉唱しなかったとして教員17人を9日付で懲戒処分(戒告)とした。昨年6月の起立斉唱を義務づける府条例施行後、初めての処分。府立学校の卒業式は今月16日まで続くが、過去、君が代を巡って懲戒処分を受けたのは全6人だけで、前例がない大量処分となる見通し。  府教委によると、処分を受けたのは先月24~29日に卒業式があった14校の49~62歳の男女。同様の理由で懲戒処分を受けたことはなく「思想・信条を理由に起立しなかった」などと話しているという。  府教委は起立斉唱しない教職員に対して09年度から懲戒処分を開始。懲戒処分は09年度の卒業式で4人、今年度の入学式で2人だけだった(いずれも戒告)。今月の式で起立しなかった教職員の処分は、月末までに行う方針。  ◇処分の教諭「考え強制恐ろしい」  今回、処分された女性教諭は9日、毎日新聞の取材に対し「思想良心の自由を主張したことで処分されるのは納得できない。一つの考えを強制して全員を立たせようとするのは恐ろしい」と憤った。「君が代の歌の意味は国民主権を掲げた憲法にそぐわない」との思いから起立斉唱に反対してきた。  職員基本条例案が制定されれば4月の入学式から「同じ職務命令に3回違反すれば免職の対象」となる。教諭は2回目までは起立しないことを決めているという。【田中博子】 毎日新聞 2012年3月10日 東京夕刊

君が代斉唱不起立:大阪府教委、誓約書要求 処分17教員に(毎日新聞2012.03.12 夕刊)

大阪府教委が、今春の府立学校の卒業式で君が代斉唱時に不起立だったとして戒告処分にした教員17人に対し、「君が代の起立斉唱を含む職務命令に従う」との書面に署名・押印を求めていたことが12日分かった。  府教委によると、今月9日に行った17人に対する服務規律の講義の後、書面を示し、署名・押印をするかどうかを確認したという。17人のうち定年退職後に再任用された教諭が3人含まれているが、府教委側は「採用要項によると、非違行為があった場合、再任用の取り消しは検討できる」との見解を示しており、再任用の取り消しなどにつながる可能性がある。  府教委は取材に対して「起立斉唱を約束させる誓約書ではなく、あくまでも意思を確認するためのものだ」と説明。実際に署名・押印した人数については「確認中」としている。【堀文彦】 毎日新聞 2012年3月12日 大阪夕刊

教員の相対評価「各学校が選択」橋下市長(毎日新聞2012.03.09 朝刊14版)

大阪市の橋下徹市長は8日、今後の教員評価の仕組みについて、各学校の判断で相対評価を選択できるようにすべきだとの考えを明らかにした。橋下市長は、府市統合本部で学校協議会を通して保護者らの意見を反映させることを条件に絶対評価とすることを認めていたが、この日、「学校協議会を設置するかどうかは、各学校の判断で決めるべきだ」とした。これに伴い、学校協議会を設置しない学校では一定枠の教員を最低評価にすることを義務付ける相対評価が「復活」する形になる。 学校協議会は、開会中の市議会に提案予定の市立学校活性化条例案で規定していた。橋下市長は、学校協議会の設置を義務づけるとした条例案を今後、修正する。府教委が府議会に提案中の条例案にも影響が出るとみられる。【林由紀子】

柔道授業、安全点検後に。中学の武道必修化、(日経新聞 2012.03.09 夕刊4版)

文部科学省は9日、4月から中学の体育で柔道を含む武道が必修化されるのを前に、各学校で教員らによる指導体制や事故発生時の対応、武道場の安全管理などを点検し、準備が整うまでは柔道の授業を始めないよう全国の都道府県知事や教育委員会に通知した。 安全面で保護者らの不安が高まっていることへの対応。通知に併せ、頭部を守る受け身の練習の重要性や投げ技指導の注意点などを盛り込んだ柔道の安全指針も作成、配布した。

2012年3月2日金曜日

中学校長が公務災害申請の文書偽造、停職処分(毎日新聞2012.03.02 朝刊14版)

大阪市教委は1日、市立横堤中学校の校長(55)が、同中学校の女性教諭の公務災害申請にかかわる文書を偽造したとして、停職3カ月の懲戒処分にしたと発表した。校長は同日付で降格され、市教育センターに異動した。 市教委によると、女性教諭は09年9月に担任を務めるクラスの男子生徒から腰を蹴られるなどの暴力を受けたとして、公務災害を申請。校長は申請にあたり、生徒の保護者が賠償するとの「確約書」が必要と誤解し、確約書を偽造したという。校長は「保護者と学校の関係が険悪になっていた中、教諭との板挟みになってやってしまった」と話しているという。 校長が誤解したのは市教委の担当職員(既に退職)の誤った指導が原因だった。市は現在は再任用で勤務しているこの職員を減給3カ月の懲戒処分としている。 【私見】 1.市立中学校の状況の一端が見える。対教師暴力が、地域やマスコミに現れるのは少ない。この学校はかつては小規模校であったが、人口流入でクラス数が増えた。1小学校から進学している。この中学校だけの生活指導の問題ではない。この先生のように公務災害申請をしたくても、しないで悩む先生たちがいる。氷山の一角。第三者被害を受けたのに、健康保険を使うケースがあるだろう。法的には不法行為である。後で公務災害に変えられるが、生徒のことを考えて躊躇するケースが多いと想像できる。聖職者意識が邪魔をする。経験則からいえば殴られ損が多い。対教師暴力に「被害届」や「公務災害申請」を提出するのに、同僚や管理職のサポートがなければ一歩が踏み出しにくい。民間企業のように、法的に割り切れないドロドロ状態が、人的サービス労働なのだ。しかも、公務労働者だから、教師の良心が立ちはだかる。 2.校長は「教諭との板挟みになってやってしまった」という。この校長は「労働安全衛生法」を学習していたのか。まるで女性教諭のせいで、偽造文書を作ったとでも言うのか。管理職の職責の重さを知っているだろう。ボヤキたくなるのは理解する。それより市教委のブロック担当指導主事の指示に従ったのが悔やまれるだろう。市教委の指導だからそれに唯々諾々従う姿勢を自省した方がいいだろう。その担当指導主事は再任用(有期雇用の教諭)となり、減給になった。彼も被害者である。その上司の命令で動いたのであろう。その上司の責任はないのか。担当指導主事個人の誤った指示であれば、その個人が責めを負わなければならない。トカゲの尻尾きりの感がする。 3.クラス担任の女性教諭の腰を蹴った男子生徒。10年前なら?女性を男子が暴力を振るったら、「屁タレ」とみんなから笑い者になったであろう。女性を守るのが男の責任だと共有されていたようだ。しっかり反省しないと、この生徒は悪の学習をしてしまったことになる。

2012年3月1日木曜日

大阪府知事、教職員の徹底調査要求へ 覚醒剤事件受け(Asahi.com2012.03.01)

大阪府立島本高校の教諭が兵庫県警に覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕された事件を受け、松井一郎知事は1日、「学校現場や先生の資質などを徹底的に調査したい」と述べ、すべての府立学校で実態調査をするよう府教委に求める考えを示した。  松井氏はまた、府立学校の卒業式で、府教育長や校長の職務命令に違反して君が代を起立斉唱しなかった教職員について「(今春の)入学式でも同じ人物が同じ行動をとった場合、現場を外し、指導研修に入るべきだ」と主張。府教育長に対応を要請したと明らかにした。先月29日までに卒業式を終えた府立学校74校で不起立の教職員は16人。  従来は起立斉唱の命令違反の教員は戒告処分を受けても、教育現場から外されることはなかった。府議会で審議中の職員基本条例案では、1回目の命令違反は戒告処分とされ、その教員は指導研修を受けることになっている。 【私見】この知事の教養を疑うようになってきました。維新の幹事長でもある重鎮である人が、こんな言動をする。個人の犯罪(推定無罪)を一般化するのは笑い物になる。恥という一語を贈ろう。マートンの「アノミー論」でいうと、「逃避」になる。偉い人になりたいという文化的目標をすでにあきらめている。世間的に認められないような生活をする。純粋無垢な個人が、社会環境がもたらす緊張状態によって、逸脱(悪)行動に走る。