2011年12月18日日曜日

新任教諭の自殺は「公務災害」静岡地裁が認定(朝日新聞)

新任教諭の自殺は「公務災害」 静岡地裁が認定

 静岡県磐田市の小学校の新任教諭の自殺をめぐり、遺族が、公務災害と認めなかった地方公務員災害補償基金の処分の取り消しを求めた訴訟で、静岡地裁は15日、「公務と自殺には因果関係がある」と述べ、処分を取り消す判決を言い渡した。山崎勉裁判長は「着任以降、公務で強いストレスにさらされ、適切な支援も受けられなかった」と認定した。

 訴えていたのは、2004年に亡くなった木村百合子さん(当時24)の遺族。

 判決によると、木村さんは同年4月、新任教諭として市立小学校の4年生を担任。授業中に暴れてもがいたり、暴力をふるって周囲にけがをさせたりするなど指導が難しい児童の対応に追われた。5月ごろからうつ状態になり、6月には先輩教師から「アルバイトじゃないんだぞ。給料もらっているんだろ。ちゃんと働け」などとなじられた。9月に指導に対する抗議とも取れる手紙を保護者から受け取った翌日、焼身自殺した。

 山崎裁判長は、学級運営が円滑に進まない状況が恒常化していたと指摘。教頭や上司も、会議の議事録に「思い込み激しい。つまらぬプライド強し」などと記載するなど、木村さんの悩みの深刻さを認識せず、学校の支援態勢は「極めて大きな問題だった」と批判した。そのうえで、06年8月に「本人の性格などが原因となって自殺した」として公務外と認定した基金の判断は誤りだったとした。

 遺族は04年12月に同基金県支部に公務災害の認定を請求していた。木村さんの父親の憲二さん(62)は判決後、「やっと一区切りついたなと感じた。(娘は)ずっと全力で突っ走っていたので、お疲れさんと言ってあげたい」と話した。(小林太一)
asahi.com(2011.12.16 0:59)

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