学問の自由を守り、使用者・労働組合の別を問わず、現代の教育労働の厳しさと喜びを見つめ、教育労働のあるべき姿を展望したい。 教育労働の現場の状況を踏まえ、教育労働者の労働条件の改善に資することができればと願う。
2012年2月25日土曜日
留年:OECD、廃止を提言 初・中等教育「非効果的」(毎日新聞 2012.02.24 )
経済協力開発機構(OECD)は、学校教育での留年について「コストがかかるうえ教育成果の引き上げでも効果的ではない」として、廃止を求める教育政策の提言をまとめた。OECDは国際学力テスト「学習到達度調査」(PISA)を実施するなど、教育界に大きな影響力がある。大阪市の橋下徹市長は学力不足の小中学生に対する留年の検討を始めたが、留年の教育効果に批判的な提言が今後の論議に影響を与える可能性もある。
OECDがまとめたのは「教育の公平性と質-恵まれない生徒や学校に対する支援」と題する報告書。落ちこぼれを防ぎ経済成長や社会の発展につなげる教育政策を提言した。
留年の分析では、少なくとも1年留年した経験のある15歳の比率と初等中等教育への総支出に占める留年コストについて原則07年のデータを基に39カ国を比較。OECD平均は留年経験者が13%、コストが4・05%。フランスなど7カ国は留年経験者が30%を超え、このうちスペインなど3カ国はコストが10%以上だった。日本、韓国、ノルウェーはいずれもゼロだった。
留年の欠点はコスト増に加え、学習到達度の生徒間格差の拡大、自尊心への悪影響、問題行動に出る傾向を高めることなどを列挙。留年より効果的な代替策として学習支援や自動的な進級を推奨した。【木村健二】
毎日新聞(2012.02.24 朝刊14版)
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