2011年9月2日金曜日

日経新聞 ユニクロ、始業は朝7時 本部就業2時間前倒し(2011.08.30 朝刊14版)


 カジュアル衣料品店「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングは9月から、就業時間を現在より2時間前倒しし、午前7時~午後4時とする。仕事を終える時刻を早め、その後の時間は社員に語学やビジネス上の知識を学ぶ時間に充ててもらう。世界展開を進める上で必要な人材の育成につなげる。

 東京本部(東京・港)などで働く社員約2000人が原則対象となる。今夏の電力不足でサマータイムを導入し一時的に就業時間を早めた例はあるが、就業規則を改めて恒常的に午前7時から仕事を始める企業は珍しい。店舗で働く社員は対象外とする。

 同社は来春から社内での公用語を英語にする。これに伴い、就業時間外に英語をインターネットで学び、一定の成績を上げれば授業料を全額補助する制度も導入している。柳井正会長兼社長は「語学だけでなく、本や新聞を読んで知識を得ない限り、良いビジネスマンにはなれない」と就業時間を変える理由を説明する。

 ユニクロの店舗数は現在、国内の約840店に対し、海外は約180店。「今後の成長の舞台は日本よりも海外」(柳井会長)として、H&M(スウェーデン)やギャップ(米)など世界のカジュアル衣料ブランドと戦っていく方針を打ち出している。今後はアジアを中心に海外で積極出店を進め、ユニクロ事業の売り上げに占める海外比率を現在の1割強から4~5年後には5割に高める計画だ。

 外国人の新卒採用者も本社の管理職コースへ道を開くなど、人材面から国際競争力を底上げする戦略も取っている。

 就業時間の変更はこうした狙いのほか、電話のやりとりが少ない早朝から働けば「集中して仕事ができる」(柳井会長)との読みもある。同社には労働組合がない。
nikkei.com(2011.08.30 02:26)

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