2011年9月1日木曜日

東大阪市教育委員会教育長への抗議文ー子どもと教科書大阪ネット21

東大阪市教育委員会は7月26日、4:1で育鵬社公民の採択を決めた。歴史は3:2で東京書籍に決まる。

大阪では大阪維新の会(代表ー橋下府知事)の地方議員(大部分は日本会議地方議員連盟所属)や日本会議地方議員連盟所属の自民党などの議員の動きが活発化してきた。

教育長が水面下で採択をリードしていたと言われている。育鵬社版の公民の教科書を使う生徒は1学年約4000人。

子どもと教科書大阪ネット21が東大阪市教育委員会教育長にあてた抗議文は以下の通り。


中学教科書採択について抗議するとともに、撤回を要求します

2012年度から東大阪市内各中学校で使用される社会科公民的分野の教科書について、東大阪市教育委員会が決定した件について強く抗議するとともに、撤回を要求します。
私たちは、多くの父母市民とともに日本国憲法に盛り込まれている「平和主義」「基本的人権の尊重」「国民主権」をもとに市民社会と生活を維持し発展させていくために子どもたちにより良い教科書を、より良い教育をと尽力してまいりました。
今回採択を決定した育鵬社の公民教科書は、市民が強く願う平和で民主的な社会を否定し、他国との揉めごとは武力によって解決すると言わんばかりの内容です。また、中国や韓国・北朝鮮といった近隣諸国への蔑視感情や敵対心を植えつけるような記述は、教育基本法にある「他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」と相容れない内容です。東大阪市には外国人の子どもも多く、地域の公立学校に通学し、日本人生徒とともに学校生活を送っています。
今回採択が決定された育鵬社の教科書は、そうした子どもたちを大いに傷つけ、教室内に偏見に満ちた対立を招きかねない教科書です。
独善的な歴史観に満ちた一国中心主義の考えではなく、さまざまな地域の人々と手をつなぎあって互いに理解しあうなかでこそ平和がつくられていくということを子どもたちに教えなければならないはずです。東大阪市の子どもたちが、未来に希望を持ち、広く近隣諸国の人々と手を携えて、真の平和を実現していけるよう成長していくことができるような、教科書を選ぶことが大人の務めではないでしょうか。
今回の、東大阪市教育委員会がとった処置に強く抗議するとともに、再考されることを強く要望いたします。
以上
子どもと教科書全国ネット21NEWS79号・付録から引用。(2011.08.18)

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