2011年11月23日水曜日

TPPに係る総理会見についての談話(連合事務局長談話、連合HP)

2011年11月14日
TPP(環太平洋パートナーシップ協定)に係る総理会見についての談話

日本労働組合総連合会
事務局長 南雲 弘行
 野田総理は、11月11日の記者会見において「TPP交渉参加に向けて関係国との協議に入る」との見解を表明した。わが国の経済成長と発展の基盤を再構築するうえで包括的経済連携の強化は重要な政策課題の1つであり、TPP交渉参加に向けた歩みを進めるとの野田総理の判断は是としたい。
 しかし、TPPに関する政府の説明不足が国民各層から指摘されており、各分野における懸念も払拭されていないことから、政府の情報開示はもとより、国内対策、さらには、国民的な合意形成への道筋を示すことが大きな課題である。

 会見の中で野田総理は、「日本の医療制度、日本の伝統文化、美しい農村は断固として守り抜き、分厚い中間層によって支えられる、安定した社会の再構築を実現する」「更なる情報収集に努め、十分な国民的な議論を経たうえで、あくまで国益の視点に立って、TPPについての結論を得ていく」との決意を述べた。TPPへの交渉参加が、わが国の経済成長と雇用創出はもとより、アジア太平洋地域における公正で持続可能な発展につながるよう、政府は交渉戦略の確立と体制整備に早急に取り組む必要がある。
 加えて、政府は、TPPに対する様々な不安の声を真摯に受け止め、TPPに関する情報開示を徹底するとともに、必要なすべての分野についての国内対策確立に向けた議論を加速し、交渉参加への懸念を払拭しなければならない。

 連合は、2010年10月、「政府の『経済連携の基本方針』策定に対する連合の考え方」をまとめ、中核的労働基準の遵守、安易な人の移動の制限、強い農業の構築等への留意を前提とした包括的経済連携の推進を政府・民主党に求めてきた。
 今後は、TPPが農林水産、食品、医療・介護をはじめ幅広い分野に影響を及ぼす可能性があることを踏まえ、TPP参加に係る懸念事項と必要とされる対応策等を整理し、政府の適切な対応を求めていく。
 併せて、政府に対しては、国民への適切な情報開示と国民的な合意形成に向けた丁寧な対応を要請していく。

 連合は、「働くことを軸とする安心社会」の実現に向けて、わが国の持続的成長と雇用創出に資する政策・制度の実現に全力で取り組んでいく。
 さらに、TPPがアジア太平洋地域における公正で持続可能な発展及びディーセント・ワークの実現に寄与するよう、交渉参加国のナショナルセンターと連携するなど、国際労働運動と足並みを揃えて取り組みを進める。

以上

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